第4話 何のため
めんどくさいが森を燃やされ壊されるのはムカつく。
それに、もし万が一ノエルに当たったらどうする……
………ん?俺は今ノエルの心配をしたのか?
あの赤子の心配をしたとて意味はないというのに。
俺は新たにうまれつつある感情に違和感を覚えながら
暗殺部隊の前に降り立つ。
「お前ら、俺の森に入って生きて帰れるとでも思っているのか?」
俺は冷笑しながら暗殺部隊“6人”を見下ろし言った。
正直帰ってくれるのならさっさと帰ってほしい。
お前らを相手するのは面倒なんだ。
「ふざけるな!貴様こそ我らが国から出ていけ!
貴様の存在がどれほど害になっているか!」
「そうだ!貴様がいるからこの国はいつまで経っても
恐怖国と恐れられどの国とも交渉が出来ないのだ!」
……そのおかげで侵略もされていない事を
思い出してほしいものだが、この国はダメだろうな、
「俺にお前らの事情なんか考慮などしない。
そもそもこの森は俺が創った森だ。お前らが好き勝手
言えるものではない、今ならまだ許してやろう。
今すぐ出ていけ。」
最後の忠告だということを察せるのであれば
命はつながるが、今のこいつらに察せることができるか
「我々は我が国を危険に晒すことなど絶対にない!」
「今日こそ貴様を墓送りにしてくれる!」
聞く気はないようだな。
しかもその上爆破魔法を発動しようとしているし、
はぁ……だったらさっさと終わらせよう。
手のひらに“10個”の水の球体を出して周りを見る。
目の前に6人、“木の陰に4人”奇襲する気満々だな、
水の球体を一瞬で暗殺部隊の顔に貼り付ける。
「うグッ息がっ」「今すぐ魔法をッ」「ふざけッ」
はぁ、まだ息があるとは、流石暗殺部隊といったところか、
まぁ、そろそろ死ぬ頃か、もう戻っても良さそうだな
ノエルが腹が減ったと思う頃だろう、
さて、転移魔法を……「…せいで」
…ん?まだ生きてる奴がいたか、
後始末は面倒だから森が燃えないように配慮しながら
炎魔法を…そう思って手に火球を出した、その時、
次ははっきりと聞こえた。
「悪魔が…お前がいるせいでこの世界はずっと危険に
さらされているんだ!お前がいるせいで…!」
………こいつは昔をよく知ってるんだな。
俺はそのまま無表情で暗殺部隊を燃やした。
……こんな気持ちになったのは久しぶりだな。
何処かで俺も普通になれたとでも思っていたのか、
ノエルが来たことによって人としての生活が
手に入れられたと思って、俺はこんなことをするために
生きてるわけじゃない。俺は、……とりあえず戻ろう。
ノエルが待っている。転移魔法を使って帰った。
……俺は今はノエルを育てて使えるようにする。
使えないなら捨てればいい。……そうだ、それでいいんだ。
俺みたいなやつといると。いや、今は考えることをやめよう。
家に帰るとノエルは寝ていた。
…あぁ、良かった、今寝てくれていなかったら、
この姿を…見せることになってたかもしれない。
この姿は昔から嫌いだ。だから魔法で隠してるが、
この姿は…“呪い”だ。ノエルにはこの姿だけは
見られたくない。絶対に。
そのまま、何事もなく時間が過ぎてくれればいいが……
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