第30話 和奏との密談。凛への隠しごと。「そんなことないわ。大丈夫よ……」
水族館デートも終わり、月曜日。
昼休み、食事をとり終えたあとのまったりタイム。
『いま、ちょっと話せる?』
こっそり、和奏にレインを送ると、
『いいわよ……』
と、すぐに返事がきた。
ふたり、タイミングをずらして廊下へと出る。
和奏と僕は、周囲から見つからないよう、廊下の隅、死角になった場所へ移動する。
「ねぇ、和奏、これ見て……」
彼女からもらった、マンボウくんのストラップをつけたスマホをポケットから取り出し、見せる。
「あらっ、スマホにつけてくれたのね……!」
「スマホならいつも和奏と一緒に居られる感じがするから……」
「嬉しい……!」
和奏が、ぎゅっと抱きついてくる。
おしゃべりを終え。
僕が首だけ伸ばして、廊下に誰も居ないか確認。
「行くよ、和奏」
和奏と一緒に廊下へと出る。
「……和奏、殿村と何話してるの……?」
背後から声を掛けられる。凛だ。
(──しまった! まったく気が付かなかった……!)
「……先日、殿村くんが風邪を引いた時にノートを届けたから、そのお礼を言われただけよ」
「ほんとう……? そもそも、なんであの日、殿村にノート届けに行くって言ったの……? 最近の和奏、あたしに付き合ってくれなくなったし、なにか隠してるんじゃないの……?」
「……凛、そんなことないわ。大丈夫よ……」
和奏が凛を優しく抱きしめる。
そっと背中をさすると、凛の目が細まる。
どうやら落ち着いたようだ……。
凛が、和奏に抱かれながら僕の手に視線を向ける。
スマホにつけた、マンボウくんのストラップを見ている。
「……殿村って、そういうのがシュミなワケ……?」
「悪いかよ……」
「いや、別に悪くはないケド……というか、センスいい……和奏が好きそう……じゃなくて! なんでもないからっっ!」
言いながら、凛が僕の胸を両手でポカポカと叩いてくる。
しかし、意外と力は無いので、痛みは感じなかった。
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