不器用な魂の、最初の始まりの青

村上玲仁

1

私には友だちがいない。

しかし、私は人嫌いではなく、むしろ人が好きで、孤独が嫌いだ。私には、人と会話を続けるというコミュニケーション能力が著しく欠如しているのだ。



そして、教室の中で、ただ一人、揺るぎない確固たる場所に立っているのが真理だ。真理はよく私の面倒を見てくれる。そして、真理は、私のような不完全な存在とは違う完璧な「優等生」だった。



しかし、その日、ふと気づいたのだ。

いつものように、休み時間になり教室の隅で真理の様子を眺めていたときだ。彼女は虚ろな表情で、黒板の消されていない文字をじっと見つめていた。その表情は、私自身のさまよっている感情と、驚くほど似ていた。



そして、真理は時々学校を休むのだ。私のことで疲れているのかもしれない。そんな思いが、冷たい水のように私の意識に流れ込んできた。



彼女の笑顔の裏に、私が押し付けているものが、少なからずあるのかもしれない。



そんな風に、私が初めて真理の内側に思いを馳せ始めた日の放課後だった。私は意を決して口を開きかけた、その時。

「もう私に頼らないで!」



私はハッとした。そしてようやく理解した。私の「平穏」は、偽りのものであったということを。私が勝手に彼女を救い主とし、その完璧な背中に、自分の人生の重荷をすべて預けていたという、残酷な事実。



真理はそれ以上、何も言わなかった。私の存在が彼女に与えた重圧から、今、解放されようとする、切実な意思表示だ。



扉が閉まる音。それが、私たちの間に引かれた、決定的な境界線だった。



教室には私一人だけが残された。私の全身を包んでいたあの「柔らかな毛布」は、跡形もなく消え去っていた。代わりに、冷たい風が、私の皮膚を撫でる。



私は、ゆっくりと自分の席に戻り、座った。ただ、私と、このがらんとした空間だけが、そこにあるだけだった。



真理の言葉は、私の欠落を鮮やかに照らし出した。だからこそ、私はこう思った。「変わりたい」と。



孤独は、消えない。誰かとの会話の糸口も、見つからない。

夕暮れ時に残されたのは、私自身の、不完全で、未熟な影だけだった。



変わりたい、という焦りと、変われないという諦めが、胸の奥で渦を巻く。



真理の硬い表情と、突き刺すような声が、何度も脳裏をよぎった。

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