第4話 戦争1


 ヴィクトルが言った通り、戦地では身体が大きく強いヴィクトルは有利ではあったが、それだけ敵の目を引いて打ち取ろうとする敵の数も多かった。

ノアはヴィクトルが前に出るために弓で援護をして、二人で数々の手柄を立てていった。


 ときに死神が乗り移ったのではないかと思えるほど、残虐に剣をふるっては返り血で真っ赤に染まり、ときに隙をつかれて死ぬ覚悟をした瞬間、窮地を救われ救い返す

 今日こそヴィクトルの顔を見納めになるかもしれない。そうと思うと明日も明後日もヴィクトルと一緒にいるために、敵を何としても倒してやるという気力が湧いてくる。

 それはヴィクトルも同じ気持ちしく、僅かに睡眠が取れるときに、明日も生きよう。死ぬときは一緒だとノアの目を見て真剣に語った。


 そしてついにヴィクトルが敵の大将の首を打ち取り、勢いづいた味方の軍が敵に攻め入り戦争は終わった。ノアとヴィクトルは死地を潜り抜けて生き残ったのだ。二人は抱き合って涙を流した。


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