遥か彼方に輝く君へ

ぬれねずみ

Prologue ―忘れ去られた記憶―

私の夢はなんだったっけ?私の願いはなんだったっけ?私の理想の姿はなんだっけ?

全部忘れてしまったけど、一つだけ覚えている事がある。

私の目指したものは全部この世界にはなかったこと。

苦手なことを頑張っても誰も褒めてくれない。

何かに挑戦しても失敗したら笑われる。

言われた事ができなかったら怒られる。

みんなできて当たり前。

私ができること、たくさん頑張ったよ。でも…全部ダメだったんだよ。

私は何もできない子。何もできない自分が嫌い。

そしたら私はどうしたらいいんだろう?

そうだ、みんなが好きになるいい子になろう。

みんなに優しくして、みんなが笑えるようにしよう。みんなのために頑張ろう。

みんなが望む子になれば、みんな幸せ。

私がいい子なら私を嫌いにならないよね。

だからみんなに合わせるよ。目立たないように頑張るよ。

それが1番、私が安心できることだから。

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