これって転生? オレと三男のハッピーライフ

と〜まなさん

これって転生? オレと三男のハッピーライフ

プロローグ

第1話 

☆ 一度完結させた物語をグレードアップを試みながら掲載していきます

 って、今のところそんな作品ばかりなんですけどね。

 ちょっとコミカルでちょっと切ない現代ファンタジーです

 お楽しみくださいね ☆





 小学校高学年のこの子は三男坊だ。家で飼っている猫とやたら仲がいい。いや、猫に見守られていると言っても過言ではない。

 今日も今日とて、猫の鼻先で屁をこいてゲラゲラ大笑いしている。いじめているつもりはないようだし、普段は仲良しなので猫は飛び上がって逃げだすに留めた。普段なら容赦なく「シャー」と猫パンチの餌食だ。

 それにしたって、ったく、くせーから止めろって言ってるのに。


 この物語は、このくそ可愛い三男坊が猫や家族を通して成長していく様子を描ている。物語を追っているオレについて語らないと始まらないので、図々しいがオレの人生についてちょっくら喋らせてもらうぜ。

 ちっ、暗いぜ? つまんないぜ? それでもかまわなければ、*始まり*から読んでくれ。そういうのは御免って人は、飛ばしてくれて構わんぜ。

 って、今(2025/11/8)の時点では、まだ8話一つ分しか書いてないな。失礼!




*** 始まり ***


 オレは、超難関私立大学を卒業し超有名企業に就職した、所謂エリートのはずだった。過去形の理由はおいおい話すとして……え? 偉そうなヤツだって? まあ、話の振りなんで許してくれよ。


 要は、頭は悪くない男だった。そして、こういう難関私立大出身の人間は大抵要領もいいのだ。間違いない……はずだ。しかも、仕事運も抜群によいつもりだったので、競争激しき社内をスイスイと巧い具合に渡って来た……つもりだった。


 うん、過去形な上に、’つもり’だらけの人生。想像に難くねーよな。途中までは実に思い描く通り、順風満帆な人生を歩んていたんだよ。それが、どこで歯車が狂ったのだろう。いつからか、それまでのオレが、限りなく軽蔑していた社畜に成り下っていたんだ。しかも、そうとは少しも気づいてなかった感じ?


 そうだなあ、始まりはあの中途入社の上司が、オレの部署に来てことだな。


 アイツが初日に自己紹介した時の印象は、あまりよく覚えていない。第一印象で、出来そうに見えないじゃんと思った記憶はあるが、オレが狙っていた地位にいきなり中途入社のくせに配属されたので、眇めて見ていたからだろうか、それ以上、アイツを観察しようとはしなかった。面倒臭かったんだろうな。


 ヘッドハンティングなどという嘘くさい言葉に騙されないぞと気負ってもいた。だから、もしかするとヤツの記憶に残るもとい心に傷を残すほど、すごくオレの態度が悪かったのかもしれない。確かに、課長代理のやる気が見えず対応が失礼だったとしたら、オレのことを真面に考えてはくれないかもしれないよな。


 ただ、それがその後のアイツの対応の理由だとしたら、あまりにも短絡的だろうとは思う。年齢的に近いとはいえ上司なら大人の対応をしてほしかったよ。マジで。それにさ、自分の態度がどんなに酷かったとしても、記憶にも残らないのが普通じゃないだろうか。そういうのって忘れちゃうくらい小っさいことじゃねえんのか?


〈嫌っている人からは嫌われる〉という真理をどこかで耳にしたことがあるような気もするが、最初からそんな風に思っていたわけではないはずだ。そうでもないか? 順当にいけばオレが得たはずの地位にいきなり就いたのだから、面白いはずはない。それに、実力をみてやろうと待ち構えていたのも嘘ではないからなあ。


 いくらすがめて見てはいても、課長ともなる人が優秀でないはずはないと思っていたから、嫌うと言うより小面憎いというか妬ましいというか、そういう小物感満載の感情が先だったような気もする。相手がどう受け取っていたかは分からない。案外、そういう点で先ずは嫌悪を抱かれたのかもしれない。


 その結果は、後で身をもって体験することになった。

 鶏と卵の関係で、感情的にどちらが先にそうなったかまでは不明だが、オレの妬ましさからくる態度が原因であろうことは否めない。そうであっても、オレも子どもじゃない。目に見える態度はともかく、仕事に関しては親切とまではいかないまでも、普通に対応していたつもりだった。


 それとも、仕事ですらどこかで嫌悪感が滲み出ていたのか。あるいは、ライバルの汚い告げ口によるものなのか、いつしか上司との関係は破綻していった。殊に途中からのヤツの対応は確信犯だったと思う。そういう悪しき記憶は鮮明に残るものだからな。言うじゃん、いじめられた側は忘れないって。


 単にそりが合わなかったからなどという子供じみた理由とは、考えられなかった。オレへの当りは想像以上にきつく、それまで実質的に課を率いて来たオレを遣り込めるのに、手を緩めることはなかった。そのやり口は、俗にいうブラック上司で、元々アイツはそういうタイプだったと思う方が、余程納得できた。

 そのくらい陰湿にオレを遣り込め続けた。



続く




☆ とりあえず毎日朝7時に1話アップしようと考えています

 始まりは暗い感じですが、本文に進むと楽しい雰囲気になる予定です

 応援、宜しくお願いしまぁす ☆

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