第3話 ”壁に入る”とは
人が壁に入っていった……数秒間、その場に一人たたずむ陸。
――え……? でえええぇぇぇぇぇぇ!
え? なんで? 人が? 壁に?
待って、いったん落ち着こう。
すううぅぅぅぅぅぅぅ………………はあぁぁぁぁぁぁ………………――――。
人が壁に入れるはずがない。きっと、押戸だったから見えなかったんだ。
そう信じて例の壁に近づく。だが、
「何もない……?」
壁に手をついて確かめる。でも、ないものはないのだ!
いや、待て。ちゃんと確かめろ。そんなはずがない。
……疲れたんだな……。
いや待てよ? まだここが忍者屋敷だという可能性が残っている。
「……よし」
僕は思い切って壁に体当たりしたり押してみたりといろいろしたけれど、何もなかった。
ならばボタンでもあるのではないかと探してみるけど、どこにもない。
「うーん………………」
………………現代の忍者屋敷って、レベル高いんだな……。
しかしここまで何もないとなると……よし。
こういう時はシカトだシカト。最適解はシカト。見えてないふり。
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