第七話-真白という少女-

 彼女は少し変わっている女の子だ

 これは機密事項であるけど彼女は何を隠そうBLを愛する人だった。

 きっかけは多分ぼくのせいだ。

 小学校時代、龍くんとぼくはある噂がたっていた。

 それは龍という男には可愛い彼女が既にいる。

 その可愛いのレベルがアイドル顔負けと噂が囁かれ、女子たちからは敵意の視線が向けられたのだった。

 そこでぼくが男だと言っても誰も信じてくれなかったのだ。

 透という名前もどっちとも取れる名であるし、とにかく嫉妬の憎悪がいつも冷たく鋭利な刃物に感じられた。

 龍くんも面白がって否定しないどころか、これ幸いと女避けに使っていたのだ。

 ひどい!

 

 そして蝉のうるさい暑い夏のあの日、女子がキスしたら私たち全員諦めるからって!

 って話になって、龍くんとキスすることになったが、流石に男とキスはまずいと龍くんは考え断固拒否を訴えた。

「今まで、騙してたけど透は、男なんだ!」

 集まっていた女子たちは、なにいってんだこいつって顔になってさらに詰め寄ってきた。

「え、わたしたち全員騙してたの? 酷くない? わたしたちの好意はどう責任とってくれるの!?」

 女子たちは全員ぼくらを仁王立ちで般若のような真っ赤な顔で迫った。

「ほ、ほらぁー、これでわかったろ?」

 龍くんはあろうことか、ぼくのズボンを高速で下ろしてぼくが男と言うことを証明した。

 ぼくは恥ずかしさで気を失いそうになった。

 (失ったらどれだけ楽だったろう)

 ぼくの尊厳は確かに失われたけど。

 それを見た女子は信じられない光景であった為、悲鳴をあげるもの、気絶するもの、停止するもの、全力で逃げるもの、個々で様々なリアクションが起きた。

 翌日、ぼくたちは職員室に呼び出され、厳しい注意とトイレ掃除を1年間やらされることになった。

 女子たちはトラウマになるものも多く、責任をとってキスしろ!って激怒する女子も現れ、ぼくらは審判の日を迎えた。

 教師には内密に儀式は執行された。

 目の前で龍くんとキスした。

 (する直前にサランラップでどうにか龍くんが誤魔化したが成功したみたいだったが、感触は伝わる。ぼくはちょっとドキドキしてしまったが、龍くんは真っ白に燃えていた。

 それを最後まで眺め続けていたのが真白だった。

 そして彼女は新たな扉を開いた瞬間でもあった。

 男同士のキスで興奮してしまうようになってしまったのだ。

 ただし、イケメンに限る。らしい。

 

 彼女のすごいのは交友関係である。

 彼女は話し上手と聞き上手という能力がある。

 話題が途切れそうな相手には話題を提供し、例えば寡黙な子と会話する場合は、自分から話題を広げ、その子が話しやすい雰囲気へ持っていくことができる。

 逆によく喋る子には聞きに徹し、具体的には、自慢話だったり、嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったことを肯定し褒める。

 それが出来る彼女はみんなから人気者だ。

 彼女の周りにはいつも人が絶えない。

 つまりコミュニュケーションお化けなのだ。

 だけど、真の友人はまゆなさんだけらしい。

 なので、彼女のBL好きという特殊な趣味はぼくとまゆなさんしか知らない。

 BLを極力隠す彼女はBL漫画を買う時に、大きい料理本に挟んでレジに向かって会計を済ましたり、男子同士が肩を組んでるを見て鼻血が出そうなのを気合いで止めたり、知られまいと必死に努力し隠してるわけである。

 (たまにボロが出そうな時があってハラハラするけれども。


 彼女の家もまたまゆなさんと同じ政界に通じていて、上流階級の人だ。

 それでも彼女は、そんな家柄を気にせず誰とでも仲良くしている。

 一つ下に妹がいるらしいが、ぼくはまだ会っていない。

 彼女もまた龍くんと同じで、非のうちどころないスーパーウーマンである。

 ただ一つを除いてね!

 ただ一つを除いてね!

 大事なことなので二回言いました。

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