第15話:システム管理者の正体と、学園の裏側
1.システム管理者からの直接通信
俺の家で起こった『真実のログ』の暴走と、『影の支配者』からの直接通信の翌日。俺たちは、部室で極度の緊張感に包まれていた。
「直接通信…!奴らは、佐倉君の『デバッガー』能力を逆利用して、彼の脳を『世界の通信端末』として使おうとしている!」凛が、俺の頭部に簡易的な解析デバイスを装着しながら声を荒げる。
「月が歪んだことも、警告よ。奴らが、世界の物理法則の根幹に手を加える準備をしている証拠」咲耶が冷静に分析する。
俺が、通信で聞いたメッセージを復唱する。
「『世界の終焉は…**「システム管理者」の手によって始まる』…そして、俺の脳裏には、『桜ヶ丘高校』**と書かれた巨大なサーバー室の映像が…」
「つまり、**この学園こそが、世界のシステムを管理する『核』**だということ?」ひかりが震える声で尋ねる。
「ありえるわ。私たち『修正者』が集められ、敵『影の支配者』も狙いを定めている。全てが、この学園を中心に回っている…」咲耶が、重い口を開いた。
「もし、この学園のどこかに、世界のシステムを制御する**『管理コンソール』があるなら、それを守る『管理者』**がいるはずよ」凛が結論づける。
「奴らが言っていた**『システム管理者』が、その『根源的なエラー』**の正体ってことか…」俺は、全身から冷や汗が噴き出すのを感じた。
<h4>2.デバッガーが暴く、学園の真実</h4>
俺は、意を決して、デバッガーの全能力を集中させた。目標は、**『学園の裏側に隠された、管理コンソールの場所』**だ。
俺の視界のウィンドウが、桜ヶ丘高校の建築構造図、ネットワーク配線図、そして過去の建築ログの全てを、一瞬でオーバーラップさせていく。
【ANALYSIS: Sakuraoka High School - Hidden Structure Scan】
【True Log: Main Server Chamber - Location: 旧図書館地下50m - Access Protocol: Clock Tower Time Gate】
「見つけた!『管理コンソール』の場所だ!」俺は叫んだ。
「旧図書館の**地下50メートル!**そして、そこへアクセスするプロトコルが…時計台のタイムゲートと同じものだ!」
「あの時間歪曲のゲートが、まさかここにつながっていたとは!」凛が驚きに目を見開く。
咲耶は即座に作戦を立てた。
「管理コンソールがあるなら、そこが世界の**『最終バグ(ラスボス)』**の発生源である可能性が高い。そして、『システム管理者』もそこにいるはず」
「私たちが、先んじて**『最終決戦』**を仕掛けるってことね」零が、静かにポッキーを折った。
「そうだ。ただし、敵も動いているはず。正面からの突入は危険すぎる」
俺たちは、時計台へ向かうルートの安全確保のため、零に**『幻惑』**による広範囲の警戒網を依頼し、時計台へと向かった。
<h4>3.システム管理者との邂逅</h4>
校庭の時計台の下。俺たちは、再びあの黒い招待状をアクセスキーとして使用し、過去の空間へのゲートを開いた。
時計台の下を通り抜けた先は、あの時の不安定な過去の空間ではなく、エレベーターだった。
「エレベーター!?こんなもの、時計台の真下になかったぞ!」ひかりが驚く。
「幻惑と時間のバグで、構造そのものが隠されていたのよ」咲耶が、エレベーターに乗り込む。
エレベーターは、俺たちが指定した地下50メートルへと、静かに降下していった。
扉が開いた瞬間、俺たちの目の前に、広大な巨大サーバー室が姿を現した。俺が幻視した、あの場所だ。
部屋の中央には、最新鋭のコンソール。そして、その前に立つ、一人の人物がいた。
その人物は、白衣を纏い、銀縁の眼鏡をかけた、知的な印象の中年の男性だった。
俺たちは、その人物に見覚えがあった。彼は、**学園で最も信頼されている『校長先生』**だ。
校長先生は、優雅に振り返り、俺たちに微笑みかけた。
「よく来たね、**『修正者』たち。そして、『デバッガー』**の佐倉君」
「校長先生…!あなたが、『システム管理者』!?」ひかりが、信じられないという声を上げる。
校長先生は、コンソールに手を置きながら、静かに語り始めた。
「そうだ。私はこの世界の**『システム管理者』**。君たちの世界を構築し、運営してきた者だ」
彼の顔が、突然、悲痛な表情へと変わった。
「しかし、このシステムには、致命的な**『欠陥』がある。この世界の人間は、決して『満たされることのない欲望』というバグを抱えている。私は、この『欠陥品の世界』**を、これ以上維持できない」
彼は、コンソールに手を翳した。俺のデバッガーウィンドウに、**『最終プロトコル起動中』**の警告が表示される。
【CRITICAL ALERT: Final Protocol - World Reset Initiation: 10 minutes】
「終焉のバグの正体は、**『世界のリセット(初期化)』だ。佐倉君。君は私にとっての『最高のデバッグツール』だ。君の能力で、この世界が『欠陥品』であることを証明し、私の『初期化の決断』**を正当化してくれたまえ」
校長先生は、悲しげな笑みを浮かべた。
「さあ、**『修正者(フィクサー)』**たち。君たちの世界を救う最後の機会だ。私を止められるなら、止めてみるがいい」
『影の支配者』の使者は、この校長先生の**『初期化プロトコル』**を、世界の再構築に利用しようとしていたのだ。
俺たち『放課後チート同盟』は、世界の管理者にして、最も信頼していた校長先生と、世界の存亡をかけた最後の戦いに挑むことになったのだった。
—―第15話 完—―
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