職場のレズ先輩に身も心も落とされてしまいました

 一台の真っ赤なスイフトが海岸通りを走る。まだ陽の高い午前十時の海風を切り裂きながら、それは海沿いに建つラブホテルへと向かう。周囲の少し寂れた建物と違い、リゾートホテルのようなこの辺では場違いとも思える綺麗な建物。車はそこへと潜り込んだ。

「さぁ、着いたわよ」

 職場のレズである馨先輩が私に柔らかな笑みを向ける。私はここに来るまでの間、車内でスカート越しにアソコをまさぐられていたので、もう下着も濡れていた。スカートまで濡れていないかと心配になってなかなか立てなかったけど、先に車を降りた馨先輩がエスコートするように私の方のドアを開け、立たせる。

「こういうとこ、初めてじゃないでしょ」

「女の人とはさすがに」

 車内に満ちていた熱気が風にさらわれて行くが、私をまとう熱は拭えない。それでも少しスカートが冷たいような気がして恥ずかしくなり思わず身をかがめようとしたけど、馨先輩はくいっと私の手を引いて中へと入った。

 空いてる部屋を選びエレベーターへと乗り込むと、馨先輩が私の耳元へ顔を寄せる。

「良い顔してるわよ」

 恥ずかしさとまだ残っている情欲で顔を真っ赤にしている私はうつむくしかない。

「そんな、さっきまであんな事してたら誰だって」

「ふふっ、それもそうかもね」

 その吐息が甘く、じんわりと私を刺激する。先程までもどかしい愛撫を続けられていたため、そしていよいよラブホテルに入ってするんだという雰囲気と未来に私の身体はもう既に服が肌に触れる刺激だけで興奮している。こんなのおかしい、こんなに興奮したり感じたりした事なんか今まで無かった。それは女同士という背徳感のせいだろうか。

 目的の部屋のドアを開けて中へ入るとカシャンという音と共に鍵がかかった。ここは出る時に清算しないと開かないタイプらしい。けれど今更逃げるなんて選択肢も無かったので、私は馨先輩の少し後ろを歩いて更に奥へと進む。

「へぇ、良い部屋じゃない。ここは何度か使った事あるけど、この部屋は初めて。ほら見て、海も見える。素敵な眺めね」

 まるで本当にリゾートホテルにでも来たかのように清々しく部屋の感想を述べる馨先輩に対して、私はそんな余裕なんて無かった。ただ、思っていた以上に綺麗な部屋だったため、安心はしている。

「私ね、海が好きなの。マリンスポーツはしないけど、見ているだけで癒されるわ。美雨さんはどう?」

「そうですね、私も馨先輩と同じです」

 あれから何もされていないので鎮まりつつある興奮と相反するように体の奥で性欲の炎が不完全燃焼の状態で渦巻き、身を焦がしているかの様。目の前の素敵な景色と、私をまとっている濡れた下着とのアンバランスさに思考も感情もさっきからぐちゃぐちゃで、上手く受け答えできていないのが自分でもわかる。

「先にシャワー浴びてくる?」

「そう、ですね。じゃあすみませんけど」

 私は近くのソファにバッグを置くと、少し奥にある浴室へと向かった。

 後ろに馨先輩がいるけど、見られている気がしない。それでも職場でしか向き合った事のない人の傍で裸になるのは抵抗があった。だから私は素早く脱ぐと、逃げ込むように浴室へと入る。

 中は広く、中央に広いバスタブがあった。シャワーも綺麗で、壁も特別透けるガラス張りという感じではない。私はまずシャワーを出し、お湯になったのを確認するとまだ火照っている体にそれを当てた。

 温かいお湯がかかるとほんの少しだけ安らいだけど、それが胸やアソコに当たると待ち焦がれていた刺激を与えてしまったせいか、ぴくりと体が反応してしまう。先程の車内で少し汗ばんでしまったし、特にアソコは濡れていたため綺麗にしないとならない。だけどそうしようと思えば思うほど水圧や泡立てたボディーソープのぬめりに反応してしまい、感じてしまう。

 特に泡立てた手はダイレクトに私を昂らせた。優しく洗おうとしているのに、ぬめった手が乳首やアソコを洗おうとすれば、もう感じてしまっているのかまるでオナニーのようになってしまっている。綺麗にするためと自分に言い聞かせても、ピンと張った乳首と熱くなってボディーソープとは違ったぬめりを生むアソコが気持ち良い。

 いつしか私は荒い息を押し殺すようにオナニーに興じていた。こんなのさすがにいけないとわかっていつつも、もう手が勝手に動く。車内で私を服越しに愛撫してきた馨先輩の手がもうすぐ直接私を触る。こんな風に乳首をこねくり回すのだろうか、こんな風にアソコを摺り上げるのだろうか。あぁ、一体私はどうなってしまうのだろうか……。

「私も入るわよ。女同士だし、いいでしょ。それにしても美雨さん、随分念入りに」

 突然ドアが開かれ、馨先輩が入って来た。一糸まとわぬその姿は凄く綺麗で、胸もやっぱり大きく形が綺麗。くびれも綺麗なそのスタイルに見惚れそうになったけど、オナニーの最中だった私は物音と馨先輩の声に驚き、思わず背を向ける。

「随分念入りに洗うのね。それとももう我慢できなくなったとか?」

 くすくすと笑いながら馨先輩が近付くのがわかったけど私は動けなかった。そうして私からシャワーを奪うと、抱え込むように立たせ、少し見詰め合ったかと思うが早いかキスをしてきた。互いに密着し、胸を押し付け合いながらそこにシャワーのお湯がそそがれる。けれど馨先輩の唇は私を求めるかのように音を立てながらついばみ、舐め、上手に舌先で愛撫していく。私は声を抑えようとするけど、どうしても漏れてしまう。

「ねぇ、何を考えて一人でしていたの?」

「それは」

「こんな事とか考えていたのかしら?」

 すっと顔を離したかと思うと馨先輩は私の耳を唇で挟みながら舌先を這わせる。すぐにゾクゾクとしたくすぐったさにも似た快楽が走った。途端、自分のアソコからじわっとシャワーの熱とは違ったものが垂れるのを感じてしまう。少しのけぞるような体勢になった私の首筋を舐め、馨先輩の舌はどんどんと下りていく。鎖骨、そして胸の上。速度は決して速くないけどそれがじれったいと言うか、確実に次を予感させて期待が膨らむ。

「素敵な身体ね。楽しみ」

 そう言うと馨先輩が唇を離し、そっと包み込むように私の胸を揉んできた。吐息が漏れて、力が抜けそうになる。馨先輩はシャワーをフックにかけて固定すると私を抱き締めながらゆっくりと回すように強弱をつけて揉んでいく。そしてその円が狭まり、やがて乳首へと到達すると親指と人差し指でしごいた。

 その一回でイきかけた。

 胸ももちろん性感帯ではあるけど、こんなに敏感になった事は無いかもしれない。ガクガクと膝が震え、でも馨先輩はやめてくれない。乳首から電流が走るかのように快楽と興奮が広がり、切なくなる。もう私のアソコはどろどろに濡れ、隠すようにより刺激を得るようにもじもじと足をすり合わせている。

「感じやすいのね。いいわ、好きよそういうの」

 すると馨先輩の手が私のアソコに伸びた。細く綺麗なその手がずっと待ちに待っていた直接の刺激を与えてくる。陰毛を包むように覆ったかと思えば、中指の第一関節からずるりと擦り上げてきて、それが丁度クリに当たった。私の手と違い、長い指の馨先輩は想定していない刺激を与えてくる。

「駄目、イく」

 私は一際熱いものを垂れ流しながら、絶頂を迎えた。ガクガクと膝が震え、力が抜けて床に手をつきへたり込んでしまう。

「ふふ、その様子じゃ洗えないじゃない。いいわ、大サービスで洗ってあげるから」

 へたり込む私に微笑みかけると、馨先輩はフックからシャワーを外してまずは優雅に自分の身体へと浴びる。私はそのしぶきを浴びながら、しばらく動けずにいた。

「ほら、私につかまってて。拭いてあげるから」

 浴室から出ても腰砕けになっている私は馨先輩につかまりながら、体を拭いてもらった。眼前には豊満なおっぱいと綺麗な乳首。私より数カップは間違いなく大きいそれはいつまで見ていても飽きないだろうけど、体を拭かれる刺激すら今の私には敏感に反応してしまう。丁寧に拭かれるたび、先程の余韻で体が反応してしまうのが恥ずかしい。

「ねぇ、幾ら拭いても溢れてくるじゃない」

 アソコに顔を近付けられ、そこに話しかけてくるので吐息がかかる。私はもう恥ずかしさと背徳的な興奮で股間の疼きを止められず、ふるふると違うと小さく繰り返しながら首を横に振る事しかできない。

「違わないわよ、ほら」

 すっと指で割れ目をすくわれると、ぬめりを帯びた愛液が馨先輩の指に絡みついている。目の前でその粘性を確かめるよう指を離したりつけたりする様子を見せつけられ、より私の中の疼きが高まっていく。

「さ、そろそろベッドに行きましょう」

 キングサイズのベッドの上に寝かされると、のそりと馨先輩が上にまたがるよう覆いかぶさった。その眼は期待に燃え、愛欲にまみれている。そのまま私を見下ろしていたかと思うと、すっと顔を近付けてきた。その際ふわりと髪の毛から良い匂いが鼻をくすぐる。

「少し前の美雨さんなら毛嫌いしてたんじゃないの、こういう行為」

 そうして唇を重ねてきた。それは柔らかく、丁寧に愛おしそうに軽く吸い、離れてと繰り返す。さっきも思ったけど、男の人とはまた違った優しい愛撫。確かに少し前までの私なら女の人にキスされるなんてと毛嫌いしていただろう。でもこうして馨先輩を知るほどに魅了された今、拒むなんて選択肢は無かった。

 ゆっくりと舌を入れられても、嫌悪感は無かった。でも柔らかいながらもいやらしく私の舌先を刺激し、まるで私からも来てとばかりに誘っている。つんつんと刺激され、やがて私もおずおずとそれを伸ばせば、するすると絡みつかれた。力強さや乱暴さの無いキスに私は次第に身も心も蕩けていく。なんて上手なキスなんだろうか。

 頭がぼうっとしてきた辺りで馨先輩の舌は次第に激しさを増し、私の口内をすみずみまで舐め回す。もう口内も敏感になっている私はその刺激に鼻からくぐもった吐息を漏らして体をくねらせていると、不意に左の乳首をつままれた。

 思いがけない刺激に体が跳ね、キスを忘れて喘いでしまう。するとすぐ馨先輩がまた私の口をその唇で塞ぐ。そしてキスしながら両手で私のおっぱいを揉み、乳首を虐めてくる。つままれ、軽く引っ張られ、ひっかかれ、くりくりと円を描くように押し潰され、親指で器用にこすりあげられると断続的な快楽の電流が私を襲う。けれど大声を出そうにもキスされたままなので出せない。鼻から抜ける自分の喘ぎ声に物足りなさ、不完全燃焼さを感じずにはいられない。

「美雨さんって凄く素敵。綺麗だし、感じやすいし、嬉しくなっちゃう。自分が上手になったかのように錯覚しちゃうわ」

 実際上手な馨先輩は私から唇を離してそう言うと、私はやっと荒い息をする。ぼやけるのは気持ち良さが溢れすぎて、涙目だから。そして私は考えるよりも先に懇願していた。

「やめないで。もっとして。こんな凄いの、知らないから」

 自分の言葉と言い方がいやらしくて、そして馨先輩の愉悦の表情がまた期待感を膨らませ、私の乳首もクリも痛いくらいピンと張って充血していた。もうアソコはわけがわからないくらいぐちゃぐちゃに濡れているのがわかる。でも恥じらいなんかより、今すぐにでもどうにかして刺激を与えて欲しかった。

「随分可愛い事を言うじゃない。じゃあお望み通り」

 そう言うと馨先輩が体をずらし、私のアソコに顔を近付けたと思うが早いか、だらしなく濡れたそこに吸い付いてきた。予想外の刺激と、それでいて丁寧な愛撫に解放された私の口から叫び声にも似た大きな喘ぎ声が漏れた。チロチロと動く馨先輩の舌先が私のヒダやクリを余すところなく舐め、時に吸い、転がす。甘く噛まれるたびに強烈な快楽の電流が駆け抜け、濡らしているのか漏らしているのかわからないくらい。

「駄目、もう駄目、やめてぇ……イッてるから。何回もイキッぱなしだから」

 何度もイッているのにやめてくれず、くすぐったい、痛い、気持ち良いがもうぐちゃぐちゃになり、気持ち良いが見えたと思ったらイッてしまう。その繰り返しだった。体が強張り絶頂に達して体が弛緩しても、また続けて快感を流し込まれる。

 もうこの時点で今まで味わったセックスとは全く別物だった。男の人と三人付き合ってきたし、一夜限りでの遊びも少しはしてきたけど、こんなに濃密に前戯をされた事は無い。ある程度揉まれたり弄られて濡れてきたら挿入され、十分そこらで終わる事が多かった。二回戦、三回戦としたこともあったし、私もその時は気持ち良くて楽しかったのだが、今しているセックスには到底及ばない。

 男の人とのセックスでは入れて出せば終わりというのが見えている。けれど馨先輩とのそれは終わりが見えない。そして同性だからなのかここを攻められたい、こうして欲しいというのがわかっているからか、ずっと八割九割くらいの快楽で埋め尽くされている。気を遣うとか演技だとか、そんなのする余裕も無い。目の前がチカチカするくらいの快楽がずっと続いている。

 するとふっとアソコから馨先輩の顔が離れた。何度イッたかわからないけど、まだ欲しいと貪欲な私は物欲しげな目で見てしまう。すると馨先輩は妖艶に光る眼差しを向け、にやりと笑いながら私の愛液で濡れた口元を拭った。

「ねぇ、今度は私にもしてよ。美雨さん見てたら欲しくなっちゃった」

 何をと思った途端くるりと体を反転させて私の顔にまたがり、テラテラと濡れた馨先輩のアソコが眼前に迫ってきた。むわっとむせかえるようなメスの匂い。陰毛も束なるくらいの濡れ具合。けれども遊んでいないかのように綺麗な姿。なのに誘うようにヒクヒクと蠢く様子が例えようもなくいやらしい。お尻の穴すら見え、それがまた一層変態的な行為をしているんだって私を興奮させる。

 舐めればいいのかなと思っていたら、不意に私の顔にそこが押し付けられた。ぺちゃりと顔が濡れ、とっさの事で息も出来ず、私はもうヤケクソ気味に先輩のを舐めた。苦しいのと、されたら嬉しいけどどうすればいいのかわからないのでもうベロベロと趣も何も無く犬のように舐めているのに、馨先輩はぴくりと腰を浮かし、声を漏らす。高音の、漏れる吐息のような控え目なそれだったけど、嬉しくなる。

「いいわ、最初からこんな……美雨さん才能あるわよ」

 才能? 一体何のことを言ってるのだろうかと思ったら、不意にアソコを舐められた。

「普通ね、どんなにその気になっていてもいざ同性同士でなんて出来ないものよ。ひるむし、逃げるし、拒否反応が出るもの。だからこんなに感じたりしてくれるどころか舐めてくれるなんて、ある種の才能なのかもね。きっと本質的には私と同じ、レズなのよ」

 くすくすと笑うその吐息鼻息がくすぐったく、でもそんな微細な刺激でも感じてしまう。もう見られているとこがどうなっているのかわからない。けれどきっと、私も見た事無いくらいにいやらしくなっているのだろう。

「大好きよ、美雨さん。愛してるわ」

 才能だとか適正だとか一切わからないけど、甘くねっとりとした声で愛してると言われた瞬間に脳が甘く痺れ、それが体へと稲妻のように走る。つまりはまたイッた。

 荒い呼吸を繰り返し、ぐたりとだらしなく大の字なってぴくぴくと体を蠢かせながら呆けた表情で目の前の馨先輩のアソコを見ていると、つうっと糸が引くように愛液が垂れているのが見えた。それが私の頬に垂れ落ちるけど、私は避けも拭いもしないでそのまま受け止める。

「まだするでしょ。私、満足してないもの」

 男の人とならもうとっくに終わっているし、こんなにもイかされた事が無い。それでもまだ終わらないというのはやっぱり、女性同士だからなのだろうか。まるで沼のように快楽へと沈んでいく私だけど、底が見えない。本で見たのかネットで見たのかわからないけれど、女同士のセックスに終わりがないというのはこういう事だったのかと今更ながらに実感する。

「ねぇ、返事して欲しいな」

 すっと馨先輩がまた体を反転させて私の耳元でそう囁いたかと思うと、舌先で耳を舐められた。突然の刺激とまた押し寄せる快楽に驚いた私は小さく叫ぶと、馨先輩が私を抱き締める。優しく包み込むようになんかじゃない、きっとこれは動けないようにするかのよう。その証拠に、私の腕を抑え込み、下半身は馨先輩の足で押さえつけられている。

「するでしょ、まだ。もっと、もっと教えてあげるから。気持ち良くなろう、一緒に」

 囁き、舐める舌先が耳の縁から内側へと丁寧に這う。ゾクゾクとした体を震わせる快楽はもう果てて終わったと思っていた私の体の熱を再燃させる。耳から脳へ、首筋へ、胸へ、アソコへと刺激が伝播されていく。だからあぁ、また濡れてきた。

「好きよ、美雨さん」

「あ……私も、私も好き」

 耳の奥まで潜り込もうとする舌先に私は体をのけぞらせる。けれど押さえつけられているので逃げられない。そのせいでまるで抑えつけられている性欲が行き場を無くした大蛇のように体の中で暴れ回り、苦しい。目もかすみ、口をぱくぱくさせながら私は自然と求めていた。

「お願い、もうこれ以上は……触って、もっと触って欲しい」

「じゃあ一緒に気持ち良くなりましょう」

 そう言って馨先輩が離れたかと思うと、おもむろに私の右足を持ち上げ、自分の肩に乗せる。一体何をするのかとぼんやりと考えていると、馨先輩が妖艶な笑みを浮かべたのが見えた。その途端、アソコに伝わる馨先輩の濡れた陰毛と肉の感触。これはもしかして、お互いのをくっつけているのだろうか。ぬちゃりとした触感が何とも不思議だけど気持ち良いし、いやらしい。

「女同士のセックスはね、こういうのもあるのよ」

 そう言うと馨先輩の腰が動き、私のアソコが先輩ので摺り上げられる。陰毛の感触と、熱い肉の感触、そして潤滑油みたいに濡れる私達の愛液。いやらしい音を立てながら私の上で馨先輩が動く。苦悶にも似た快楽に染まった顔で。

 あぁ、凄く綺麗だ。そして、いやらしい。

 誰もが憧れる馨先輩が大きな胸を揺らし、アソコをこすり合わせている。とろんとした悦楽の表情はきっと会社では誰も知らない顔。汗が滲み、私の足にキスをしながら大きくなった馨先輩のクリが私の充血したクリに当たる度、お互いに声が漏れる。背徳的な行為はより私の快楽を高め、自然と私も腰を押し付ける。

「いいわよ、凄く気持ち良い。美雨さんも初めてなのに腰動かして、いやらしい」

「だって、だって」

「凄く好きよ。ほんと、大好き」

 挿入する物が無いから膣内には何も入っていないのに、今までしてきたセックスよりも遥かに気持ち良い。思えば丁寧な愛撫もこうした激しい腰振りも、女同士だから良い場所がわかっている。先程までの電流がビリビリと走るような快楽ではなく、今は熱くじわじわと沸騰するような快楽が私のアソコから湧き上がっている。擦られる粘性の音と共にそこが酷く熱く、どうにかなってしまいそう。

 すっと馨先輩の手が伸び、私の胸をつかむ。腰を動かしながらも器用に私の乳首を指先で擦り上げ、押し潰す。もう全身性感帯になっていると思っていたけど、やっぱり胸が弱い私はその刺激で腰を跳ね上げてしまう。

「駄目、それ駄目。おかしくなる」

 その反応が楽しかったのか、馨先輩の動きがさらに激しくなり、乳首とアソコの両方から強烈な刺激が勢い良く脳に響く。短く叫ぶような私の声がいやらしく、蕩けた顔で見下ろす馨先輩が愛おしい。

「もう私、イきそう。一緒にイッてもらうわよ」

 そう言うと荒々しく私の乳首を押し潰し、今まで以上に強く擦り上げた。一際大きく快楽の電流が走ったかと思うと、強く馨先輩のアソコが押し付けられ、熱い愛液が私にも伝わる。あぁ、イッたんだ。馨先輩、イッたんだ。私を使ってイッたんだ……。

「……イッちゃった。愛してるよ、美雨」

「いや、あ、あぁ……駄目、もう駄目ぇ。イクぅ、すごいの来ちゃう」

 果てて蕩けた馨先輩が私の名を耳元で囁いた途端、堰を切ったかのように快楽がどっと押し寄せ、目の前がチカチカと明滅しながら私はイッた。今日一番、いや過去一番凄い絶頂。全身をピンと張り詰め、手も足も全部伸ばし、正に絶叫しながら味わった事のない快楽の波を全身で受け止め終えると、私はそのままベッドに沈んだ。

「ふふっ、凄いわ。そんなに良かったんだ」

「こんなの、知らない。すごい……」

 だらりと脱力し、お互い荒い息を吐きながら汗と愛液にまみれて小さく笑う。本当に知らない世界と快楽だった。何なら今も快楽の小波が寄せては返す度にぴくりぴくりと反応してしまう。

「良いでしょ、女同士も」

「はい、すごく……良かった。もうこんなの知ったら、戻れない」

 何もかもさらけ出し、微笑み合う。私はセックスのこの瞬間が好き。お互いより深くわかり合えた気がして、愛おしくなるから。そしてそれが馨先輩になった今、私を覆っていた偏見や嫌悪と言ったものが消えていく。まるで霧が晴れるかのように。

「ねぇ、美雨」

 真っ白いシーツに少し埋もれながらそっと私の頬に手を添え、優しく馨先輩が呼びかけてきた。今まで見たどの表情よりも可愛らしく、甘えたような魅力的な顔で。

「私の事も、二人の時は馨って言って。そして好きだって言って欲しいな」

 その顔がまた凄く可愛くて、事後のまだ快楽の焦げ目がついた眼差しが愛おしくて、私は一つうなずくとその眼を見詰めた。

「馨、好き。大好き」

「本当に?」

「うん、本当に好き。愛してる」

 すると馨先輩の瞳の奥が怪しく光ったかと思うと、すっと頬から私の口元にその愛おしい手を滑らせる。私は思わず馨の指を口に含むと、自然と舐め回していた。

「ならもっともっと。愛してあげる。朝も昼も夜も、ずっと私の事だけを考えてしまうように」

 そのまま馨は体を起こし、また私に覆いかぶさってきた。愛しさと、嗜虐が同居した眼差しで。

 あぁ、もうこれ以上されたらその言葉通りになってしまう。身も心も完全に落とされてしまう。だけど私はもう、その迫りくる唇を避けるどころか、期待して受けて入れている自分に気付いていた。

 だってまた、アソコが熱く濡れているし、乳首だって期待して疼いているのだから。

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