第1章第3話 森のハンター
あれから彼は数時間歩きすっかり不気味な夜の森へと変貌していた
「比較的視界はいいとはいえ怖いな夜の森ってのは…」
「はぁー…流石に足がもう限界に近いし流石にここらで休むか…」
すでに彼の腕時計は9時を過ぎていた
「よいしょ、あ~足いてぇ…」
彼は木の寄りかかり座った
「なんか食うか…」
彼は塩分や糖分をとれるお菓子を持って生きていた
「今日はグミとクッキーを食うか…」
「本当はちゃんとした携帯食を持ってきた方がいいんだろうけど如何せん高いからな~そういうのは…」
「ん……!グミ酸っぺ!」
「数時間なにも食ってなかったから、当たり前か…」
彼は事前に持ってきていたペットボトルの水も飲みながら体を休めた
「……ガサ…ガサ」
「!」
(足音!誰だ!?)
彼は何者かに自分がいることを悟られないように体を起こし周囲の警戒を始めた
(……!いた!二足歩行…しかも結構デカい、俺より大きいのか?…)
彼は木に隠れながら目を凝らした
(ふぅー、落ち着け俺集中しろ…)
彼の心拍数は自分自身の鼓動を感じとれるほどになっていた
(首がないな…あとはやっぱりあの異常に長いおそらく爪か…)
(あんなに発達しているんだ、肉食系で凶暴な生物…絶対にバレるわけにはいかない!)
(奴は体の構造的に木登りはできないはず…)
彼はバッグから木刀を取り出しそれを背中から服の中にはみ出る形で入れ急いで登れそうな木を探し慎重に移動を始めた
「よしこの木なら登れそうだな…」
彼はタイミングを計り音をできるだけ立てないように登り始めたが…
「ガサ、ガサ」
「ウ゛?……!ウ゛オ゛ー!」
「クソが!早く早く!」
彼に気づいた怪物は人間の全力疾走程度の速度で迫ってきた
「よし!ここまで登れば!」
「ウ゛オ゛ー!」
「は!登れないだろお前は!」
「オ゛オ゛ー、グサッ」
「んな!こいつ!」
怪物は爪を木に刺しこみながら登ってきた
「マジかよ!...こうなったら!」
木刀構えた
「来るなら来いよ!怪物!」
「ウ゛オ゛ー」
「今だ!うりゃーー!」
彼は怪物の頭に向けて木刀を突いた
しかし何度も突いても怪物は少し怯むだけだった
そして怪物は彼の近くまで迫った
「グォーー!」
怪物は彼に爪で刺し殺そうとした
が、彼はなんとかそれを避けた
「へ、へ!当たるかよ!そんなの!」
彼はベルトの横にあるナイフを取り出した
「これでどうだ!」
彼は怪物の頭にナイフを刺しこんで抜き取り何度も足で蹴りこんだ
「落ちろーーーー!」
「ウガァーー!」
流石にナイフと蹴りこみが効いたのか怪物はドスンと大きな音を立て落下した
「死んだか?」
「ウ゛ゥ…」
「!生きてやがる、まだ来る気か!?」
その後少しの間お互い睨みあったが怪物は諦めたのかおぼつかない足取りで去っていった
「あ゛ぁ~あぶね~」
「………」
「クソ…安心したのか今更涙がでてきたぜ…」
「これが異世界か…最高だぜ…」
彼は夜空を見上げながら数分間ぼーっとした
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