『俺を殺したのはお前だろ? ―死者からのメッセージ―』
小説王に俺はなる!!
第1話 死者からのLINE
夜の十二時を過ぎたころ、スマホが震えた。
眠気まじりで画面を見る。
通知には見覚えのない名前——「佐久間圭」。
その瞬間、心臓が止まりかけた。
佐久間圭。
一年前、俺の幼なじみを殺して、自分も首を吊った男だ。
なのに、メッセージアプリの吹き出しには、たった一行。
「俺を殺したのはお前だろ?」
背筋が凍った。
悪質なイタズラだと頭ではわかってる。
だけど、表示されたアイコンは——間違いなく、あの日見た圭の顔だった。
削除されたはずのアカウントが、復活している。
手が勝手に返信を打つ。
「誰だ? ふざけてんのか」
既読が、つく。
そしてすぐに返ってきた。
「お前が覚えてないだけだ。玲奈も、知ってる。」
玲奈——白石玲奈。俺の幼なじみで、圭の恋人。
事件の夜、俺は玲奈の部屋にいた。
そして……その先の記憶が、曖昧だ。
頭の奥で、何かが軋む。
聞きたくない音が、脳の奥で鳴る。
「思い出せ。俺を殺したのは、お前だろ?」
次の瞬間、部屋の電気がふっと消えた。
暗闇の中、スマホの画面だけが光を放つ。
通知がひとつ、またひとつ増えていく。
「見に来い」
「玲奈の部屋で待ってる」
「今夜、全部思い出させてやる」
——死んだはずの男が、俺を呼んでいる。
俺は息を呑み、スマホを握りしめた。
震える指で、玲奈の部屋の鍵を取り出す。
「……行くしか、ない。」
扉の向こうには、過去と、罪と、死者が待っていた。
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