ガチャでスキルが決まる異世界に迷い込んだ俺は、電気魔法で無双がしたい!!
It's so me
一話 チュートリアルと初バトル
暑い夏が続く日のこと。
ジュンは母さんにお使いを頼まれ、行きつけのスーパーに行く途中だった。
どこかでガシャンと何かがぶつかる音が聞こえる。その瞬間ブラックホールのようなものが生成され、ジュンは飲み込まれるようにして吸い込まれていくのであった。
転生の仕様、変更される!?
「俺、死んだ?」
前世の記憶はまるっと覚えているようで、この世界に入るまでの記憶も鮮明だ。
異世界転生は死んでからだと思っていたが、王道という壁を乗り越えてきたらしい。
「やっぱり慣れんな異世界転生は」
車で事故ったおじさんと見られる人がジュンの近くに来る。
異世界転生に慣れるとかあるのか??
すると、ジュンとおじさんの間に大きな抽選機が現れる。
「なんだ、コレ…」
違和感に違和感が重なる。情報量がすごいことになり、頭が痛い。
おじさんは慣れた手つきで抽選機に近づくと、ぴろんと音を鳴らす。
ジュンもおじさんに続き、ぴろんと音を鳴らすと、ビーッビーッと警告音がなり始めた。それに続く形でぽん、と透過モニターが出現する。その画面には、剣士or魔法使いor格闘家という文字が浮かんでいる。
「こういうのは魔法使いたいよね」
独り言を口にし、迷わず魔法使いを選択する。
次に出てきた選択肢は元素だった。電気、炎、水、木、地だった。
地に少し興味があったが、こういうのはおきまりだった。
電気を選択。いよいよ電気魔法が使えるぞとワクワクしていると抽選機の存在を危うく忘れていた。ガチャを回すと、ノーマル魔法<雷>が出てきた。
ガチャゲージが1上がる。もう一回しようとすると、モンスターを討伐してくださいと表示された。
いよいよ討伐ゲートへ向かう。
ゲート前にワープすると『レベル1を開始します』とAI音声が流れる。
開始のボタンを押すと黒い霧に包まれ、討伐ゾーンへと移動する。
ジュンの持つ杖には稲妻が走っている。
『サンダー!』と叫ぶと相手に雷が降り注ぎ、低確率で麻痺する。麻痺すると一定時間行動不能になってしまう。
序盤にしては良いスキルだと思う。しかしこのスキルには一つの弱点があった。それは、相手一体につき二発しか放てないことだった。
ワンパンやツーパンできる敵は格好のいい餌食だったが、中ボスになるともちろん初スキルツーパンでは倒せない。
自分の戦闘力が相手の戦闘力を下回っていると、ステージに入る前に
『リタイアしますか?』
が表示される。効率がいいのはリタイアする方法だったが、ジュンの戦闘本能は剥き出しだった。
迷わず『いいえ』を選択する。
と同時に、中ボススライムの叫び声が響き渡った。
これまでの敵とは段違いの気迫。しかしこれがジュンの心を騒ぎ立て、スキル<雷>
を小さな覚醒へと導くのであった。
<雷鳴1>
・クリティカル率アップ
・発動数+1
・持続電気属性ダメージ追加
「これなら…いける!!」
クリティカルサンダー3連発が命中する。しかし、麻痺が入らずレベル1のジュンに巨大なスライムが襲いかかった。
「ドシン…」
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