白衣を着た悪魔の執愛は 不可避なようです

蓮条

「子供がいるんだっ!」

第1話

「ここのチャペル、いいよね~。私も挙げるならここがいいなぁ」

「その前に、澪は相手探さないとでしょ」

「あ~もうっ、せっかく幸せに浸ってたのに~」


 私、黒瀬 くろせ夕映ゆえは久々の完全休日を貰い、親友の真子まこの挙式に参列して。

 中学時代からの友人二人(みお史恵ふみえ)と一緒に披露宴会場へと向かっていた。

 都内でもウェディングで群を抜いている高級ホテル。

 バリエーション豊かなウェディングプランが有名で、連日多くのカップルが式を挙げる。


「あの新郎新婦も、今日お式なんだね」

「私にもあぁいう幸せな瞬間があったはずなんだけどなぁ」

「何寝ぼけたこと言ってんのよ」


 チャペルに向かうためのカートへと案内されている新郎新婦を、既に人妻である史恵が羨ましそうに眺めていた、その時。


「えっ」

「あ……」

「キャァッ!」


 三十メートルほど離れた場所で、突然新婦が倒れた。


「ごめんっ、ちょっと行って来るっ!」

「え、あっ、んんっ!」

「行っておいで!」


 救急医である夕映は履き慣れないハイヒールで新婦の元へと駆け寄る。


「すみません、すみませんっ」


 集まり出す人たちを掻き分け、新郎新婦の元に辿り着いた、次の瞬間。


「ッ?! ……将司まさし?」

「……夕映? ……夕映っ!」


 倒れている新婦の傍らにいたのは、紛れもなく自分の彼氏だった。


 どうしてここにいるのだろう?

 何故、そんな恰好をしているの?

 隣りにいるこの人は誰?


「頼む、助けてくれっ」


 ギャラリーとばかりに集まる人たちの前で、いきなり土下座されてしまった。

 でも、彼がそんなこと浮気をするだなんて……信じられない。

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