#11

イケモトは言いました。


「お前…『何でも屋』って…まさかシドか?」


「あれま…ご存じでしたか…そうです、シドです」


「アシスタントのミカです!」


「ア、アシスタント…?くっ…それより、俺の『魔力放出』を…噂通りだな」


そうブツブツとイケモトは言いながら、車の中にいた女性に手を触れました。

そしてイケモトの手が光ります。


「きゃああ…!!あっ!あっ!」


女性が苦しそうです…!


「シドさん!」


「ええ…イケモトさんは先ほどのビームを『魔力放出』と呼んでいました…おそらくあれが『魔力吸収』ですね」


シドさんはニヤリと笑いました。


「『見ました』よ?」


その時、シドさんの目に変な模様が浮かんだ?気がしました。


「『脚力強化』」


シドさんはそう言うと、ブロック塀から飛び降り、物凄い速さでイケモトへ接近していきました。

イケモトは急いでビームを撃ちます。


「『魔力吸収』」


そういうと、シドさんの手の中へとにビームが吸われていきました。

なるほど…!ビームの正体が魔力の放出であるならば『魔力吸収』で…!!


「くそっ!!」


イケモトはそう言いながら、ポケットをまさぐっています。

武器でしょうか?


しかし遅かったようです。

イケモトがナイフを取り出した瞬間には、シドさんはイケモトの目の前にいました。


「『腕力強化』」


シドさんの強烈なボディが入りました。

イケモトは気絶したようです。


勝負あり、です…

やっぱりズルい…強すぎる…


私はまず、さらわれそうになっていた女性の元へ駆け寄りました。


「だ、大丈夫ですか!?」


女性は意識がある様です!よかった…


「は、はい…あなたたちは?」


「わ、私達は…」


シドさんがカットインしてきました。


「僕達は私服警官です」


「そ…そうですか…ありがとうございます…」


「あとはこちらにお任せを…お一人で帰れそうですか?もし良ければお送りしますが」


「…い、いえ…大丈夫です…すぐそこなので…ほ、ほんとうにありがとうございました…」


女性はいそいそと帰っていきました。


「シドさん、警官なんて嘘ついて大丈夫ですか?」


「まあ大丈夫ですよ」


「そうですか…それでイケモト、どうします?」


「一旦事務所に連れて帰って、尋問しましょう」


じ、尋問…!こわい…


ということで、イケモトが乗っていた車で事務所へと帰りました。

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