スケープゴートは二度と嵌められない!

ナナシ(仮)

第1話

 神様に生き易くなる手伝いをして貰って転生をした。


 三歳になる時で熱で寝込んだ時に全てを思い出した。


 神様は五歳くらいで思い出す様にするって言ってたけど、熱のせいで早まったのかな?


 転生した私はシルヴェリア・トリウィアと言う名前でトリウィア公爵家の長女らしい。


 確か公爵家って貴族の中では一番偉い貴族だ!


 私が寝ているベッドも凄いふかふかで気持ちいいし、周りを見ると、とても高そうな家具が置いてある。


 これまでの記憶の中でも、この部屋だけでは無くて、屋敷の中も高そうな家具や壺や絵画があって確かにとても裕福そうだった。

 

 でも、前世の時に見た貴族の様な派手で豪奢な感じではなくて、落ち着いた中にも気品があると言うか、気高さがあると言うか、嫌な感じは全くしなかった。


 神様が言ってた様に、ここなら色んな勉強も鍛練も出来そう。


 それに神様から教えて貰った魔法を使いこなす為の鍛練もしなきゃ。 ……ん? 誰か部屋に入って来た?


「シルヴェリア様! お目覚めになられたのですか! 良かった!」


「……メアリー? うん、今起きたよ?」


「嗚呼、神様ありがとうございます!

 あっ、今お医者様と奥様をお呼びして来ますから、そのまま横になっていてくださいね!」


 そう言ってメアリーは部屋からドアをろくに閉めずに駆け出して行った。


 そそっかしいけど優しいメアリーが私は大好きだ。


 それにお父様もお母様も皆とっても優しいし、家にいる人達も、とても良くしてくれる。



 前世は物心ついた頃には父は既に亡くなっていて、母は私達を育てるのに一生懸命に働いてた。


 とても私達を愛してくれていたけど、決してお金に余裕がある訳では無かった。


 ある時、私は神聖魔法を使える事がわかり、教会に入る事を勧められた。


 教会に入れば、お給金も出るし、支度金を貰えるとの事だったので、母と弟に少しでも良い生活を送って欲しかったから二つ返事で教会に入る事にした。


 教会に入った後は辛い事が多かったけど、二人にお給金の一部も渡せるし、二人に会いに行く事だって出来たし、それだけで何の不服もなかった。 …………あの時までは。


 そんな事を思い返していたからだろか、私が何故、神様に生き易くなる手伝いをして貰って転生する事が出来たか、その理由を思い出していた。




 

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