初めてのデート

服装

「デートかぁ~」


「行くならどこ行きたい? 広島だから、ベタに宮島? それとも、本通商店街を練り歩く? アニ◯イトあるし。新井口にも巨大な施設があるけど、そこに行ってもいいよな。駿◯屋あるし」


「大樹は、同人誌とか、キャラクターグッズを買いたいだけだよね?」


「おう!」


「それもいいけど~。せっかくの初デートなんだしさ~、趣向を変えてみない?」




        ◇




 デート当日。俺は莉奈の家に来ていた。本来なら待ち合わせとかしてみたいと思うが、彼女は朝に弱い。待ち合わせなんかしたら平気で一時間遅刻とかしそうで怖かった。


「お、お待たせ~」


「待ってないよ。一時間遅刻とかよりかは……」


 言葉が詰まった。出なかったという方が正しいか。彼女の印象がかなり違っていることに驚いていた。まず目につくのはポニーテールなところ。


 さらに、双葉莉奈の服装は普段見せる普段着や制服とはかなり違うものだったと言わざるおえない。


 やけに胸が強調されたその服は、思春期な俺に取ってはかなり刺激的に映っていた。無い胸を無理やり膨らませて、ちっぱいほどのデカさに昇華させている。


 涙ぐましい努力が透けて見えた。俺が巨乳好きなのを彼女に薄々勘づかれている昨今、明らかに対抗してきている。


 それを抜きにしても、いいセンスをしているというか、これは絶対千暁が裏で暗躍しているなって思った。俺に内緒で服の買い物していたし。


 しかもだ、普段は降ろしている髪を上げているせいで、上半身のラインがよく見える。特に胸の辺りが、いやさっきから胸ばっかり言っているな。


 このままでは、莉奈が四六時中俺のことをエロい目で見てるという苦言を言えなくなってしまう。同じ穴の狢じゃないか。


 似たもの同士といわれかねない。いや、いとこだから遺伝子レベルでも似てるのかもしれないけども。


「大樹~? ずっと黙り込んで、見惚れてた?」


 見惚れてたというよりかは、珍しいものをみたな的な感想になるだろう。ツチノコを見たみたいな。実際、ツチノコに遭遇しても、俺自身が虫嫌いだから触れないかもだけど。


 とにかく、ツチノコに遭遇したぐらいには今日の彼女は希少性が高い生物なのである。一生に一度拝めるかどうかの。


 そう考えると記録に残したくなった。俺は無言のまま、スマホを取り出しカメラモードにする。


「大樹~?」


「はいチーズ」


 おお、壮観だ。後で写真にして、春山飛優ちゃんの隣の神棚に飾っておこう。


「現実に戻ってこい~!」


 その後、高速カメラ連写していたら、莉奈にしばかれた。

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