沈黙の残響

もりそば桜

序章 沈黙の理(ことわり)



 光は、ただ在る。

 それを“見る”ものが現れたとき、世界は初めて形を得る。


 人はその瞬間から、

 見えぬものを求め、見えるものに縛られる。

 天を仰ぐその瞳は、まるで神が自らを覗き込む鏡のようだった。


 夜、星は静かに巡る。

 まるで誰かの眼の奥で、光の粒が回転しているかのように。

 この世界がひとつの“眼”ならば、

 その中心で瞬く意識こそ――人。


 人は見る者であり、

 見られる者でもある。


 やがて神は沈黙し、

 煩い悪魔さえも声を失った。

 祈りも呪いも届かぬ静寂の中で、

 ただ人だけが、問いを発し続ける。


 光は答えず、闇も嘲らない。

 それでも、人は剣を振るい、

 その軌跡に意味を探す――。

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