冒険者と神官、長き旅を行く
メンドット
第1話 神官、呪いの森にて希望を求む
薄暗く呪いの霧が漂う大きな森、[
「どうしてこんなことに…!?」
彼女は後ろをちらりと見ながら言う。後ろからは呪いの霧により動いているモンスターの
「こんなことになっているとは思いもしませんでした…」
彼女は冒険に出たばかりであり、冒険者登録をしていないのです冒険者ですらない。それに1人で旅に出たので当然パーティメンバーはいなかった。
自身の村に共に冒険者になろうとするものは1人もおらず、危険を承知で1人比較的近い場所にある小さい町、[サンセルト]に向かった。その途中で
彼女は神官であり神聖魔法が使える。それにより本来
「一体何体倒せば良いのでしょうか…?」
彼女は振り向き、杖から放たれる
(
彼女は考える。自身はすでに
(この森には相当数の人の骨が埋まっているのでは…その埋まっている人の骨がこの呪いの霧により
走っても走っても森の外に出ることができない。まるで同じところをぐるぐると回っているようだ。
「地図を落としてしまうなんて…情けない限りです…」
いきなりの
最初は
その彼女の体力もそろそろ限界に達するところであった。
呼吸を少し整えて走りながら杖に魔力を込め、立ち止まる。そして
「"
白く暖かな光が周囲一帯を照らし、追いかけてきていた
その後、すぐに
一旦は凌げたのだ。
「ふぅ」
彼女は木を背にして座り、大きく息を吸う。地面は当然ぬかるんでいるのでちゃんと飛び出た木の根に座っている。
本来ならこの森は呪いの霧により息を吸うこともすらも許されない場所であるのだが、
彼女は自身にかけた
だがこの魔法は常に魔力を消費するのでそう長くは持たないだろう。
彼女は体を丸め俯く。
「やはり1人で冒険に出るのは無謀だったのでしょうか…」
そして自身の浅はかな考えに嫌気がさしていた。
冒険者になることに最初は反対したが、最終的には笑顔で背中を押してくれた父親と母親の顔。
冒険者になるという考えに笑顔で肯定してくれた姉の顔。
サンセルトまで一緒に行ってあげようと提案してくれた村の人たちの顔。そのすべてが頭でぐるぐると再生される。
(見栄を張らずに提案を受け入れていればこうはならなかったのかな…)
「一人で行けます!余裕です!」
と同行の提案を受け入れなかったり、
「近道ですしいざとなれば神聖魔法で蹴散らします!!」
と
そのとき、
ガシッ…
「え…」
地面から伸びた手が彼女の足首を掴む。固く、無機質なその手、そう、それは
「なん…で…」
頭を上げると7体の
(いつの間に…?時間差で神聖魔法に反応した…?それともこの場所に留まりすぎた…?)
そんなことを考えてる暇はない。
足首を掴んでいた
彼女は神聖魔法を使おうとする。が、恐怖で体が震えて神聖魔法を使うことができなかった。使えなかった。
魔法を使う際は冷静にそして丁寧にが基本だ。
神聖魔法はそれとともに神への信仰心も必要になってくる。
今の彼女は当然冷静さを欠いており、神への信仰心も恐怖によって塗り固められており、ないも等しいものだった。
「嫌…嫌だ…!!やめてください!!やめて!!」
涙目になりながら必死に杖で足を掴んでいる
(嫌だ…死にたくない。まだ何にもなれていない。まだ何も成せていない。こんなところで終わってしまうの?私は物語に出てくる冒険者のように、人々を笑顔にする存在にはなれないのですか?)
思考がぐるぐると回る。
(女神様…お姉ちゃん…お父さん…お母さん…みんな…)
「助けて」
その時、
ガサッ…!
木と木の間の茂みから人影ががバッと飛び出してくる。そして周囲にいた
「え……?」
「ん……?」
男は驚いたようにこちらを向き瞬時に私の足元の
かくして神官の彼女は全身に鎧を纏い、兜を付け、少し大きめなバックパックを背負い、黒い剣を持った男によって助けられたのであった。
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