第7話 文香との結合:理性を焼く快感
佑樹の低い声による支配の宣言が、熱と精液の匂いが充満する密室に響き渡った。菜月と文香、二人の幼馴染は、その絶対的な命令に抗うことなく、静かに屈服した。文香は、菜月というライバルの直後に、親友の恋人を裏切るという二重の罪を背負うことになったが、彼女の顔から涙は消え、代わりに肉体の渇望が、決意の光として瞳に宿っていた。
佑樹は、まず、精液で汚れた自分の手と、菜月の顔を、ホテルの備え付けのタオルで拭き取った。その間、菜月は文香を睨みつけ、文香は佑樹の肉体から目を離さなかった。この短い清算の時間は、三人の間に成立した歪んだ共犯関係を、改めて互いに確認するための儀式のようだった。
「菜月、お前は、そこで見ていろ」
佑樹は、菜月に命令した。それは、彼女の独占欲を刺激し、文香への嫉妬を最大限に引き出すための、支配者としての最初の試みだった。菜月は、不満そうに奥歯を噛み締めたが、最終的にはベッドの隅に座り直し、両腕を抱え込んだ。その瞳には、裏切りの現場を目撃する屈辱と、次の快感への期待が混じり合っている。
佑樹は、文香へと向き直った。文香はまだ浴衣姿だ。彼女は、黒縁眼鏡を外そうとはしなかった。それは、彼女の優等生という最後の仮面であり、知的な観察者として、この行為のすべてを記憶に刻みつけようという、文学少女としての本能だったのかもしれない。
「文香、彰太には、絶対にこのことは言えない。お前も、そうだろう?」
佑樹は、あえて親友の名を出して、彼女の罪悪感を刺激した。しかし、文香は、予想に反して、静かに首を横に振った。
「もちろんです。これは、誰にも知られてはいけない、私たちだけの秘密。そして、私と佑樹君の肉体の繋がりは、彰太君の清い愛では、決して得られないものだから」
文香は、その言葉を、決意の固さを持って言い放った。彼女の心は、既に「裏切り」という沼に深く足を踏み入れ、罪悪感よりも快感の追求を優先する方向に、不可逆的に傾いていた。
「それなら、今の自分が何をやりたいのか見つめて、感じて、受け入れるんだ。迷いがあれば楽しめないし、後で後悔することになる。俺は、もう何度か途中で拒否されて、女の子に逃げられることを体験している。だから、俺のことは心配するな。文香が途中で心を変えたとしても、文香の幼馴染としてその意思を受け入れる。俺に心を開いてくれるか?」
佑樹は、文香を見つめ、文香はゆっくりと頷いた。
佑樹は、文香の浴衣の帯に手をかけた。彼の指先が触れた瞬間、文香の身体は、まるで氷のように冷たかった。長時間の緊張と、罪の意識によるものだろう。しかし、その冷たさこそが、彼女の内に秘められた熱量の大きさを物語っていた。
佑樹が浴衣の帯を解き、浴衣の襟元をゆっくりと開いていく。絹のような滑らかな布地が、文香の白い肌の上を滑り落ちる摩擦音が、部屋の静寂の中で小さく響いた。浴衣がはだけ、その下に隠されていた文香の豊満な胸が露わになった。文香は、菜月の小柄でスポーティーな体型とは対照的に、柔らかな曲線美と、ブラウスの下に隠されていた豊かな量感(Dカップ)を持っていた。彼女の肌は、ホテルの赤い照明の下で、陶器のような滑らかさと上品な光沢を放っている。
「っ……」
佑樹は、一瞬息を呑んだ。その優等生の仮面の下に、これほどまでに肉欲を刺激する豊満な肉体が隠されていたという事実に、彼は背徳的な快感を覚えた。この肉体が、今、親友である彰太の潔癖な愛を拒否し、自分に身を委ねようとしている。その事実が、佑樹の支配欲を深く満たした。
彼は、文香の黒縁眼鏡の奥の瞳を見つめた。文香の表情は、羞恥心と、肉体を晒すことへの興奮とが、複雑に混じり合っている。彼女の乳首は、恐怖と期待からか、既に硬く、微かに尖っていた。
佑樹は、文香の身体を丁寧に愛撫して解いていく。乳房を愛撫し、彼の舌がその先端を優しくなぞると、文香は軽く絶頂したのを確認した。乳房を触っていない方の手が、文香の腹部へと滑り落ち、臍と恥骨の中間あたりに振動を与えて子宮を揺らしていく。文香の身体が弓なりに硬直するのを確認すると、佑樹は文香に深いキスをした。
佑樹は、文香の内腿を丁寧にマッサージし、大陰唇を撫でた。間接的に陰核を刺激することで文香を絶頂させる。掌で陰核をやさしく刺激しつつ、膣口の中に人差し指を第1関節まで入れて丁寧に刺激していく。繰り返される絶頂に身を任せていた文香は、佑樹に先に進むことを求めた。
佑樹はコンドームを付けて、文香の愛液をまんべんなくまぶした後、文香に最終確認してから結合した。
「っ、あああぁあ! い、痛いっ……!」
文香の口から、処女喪失の衝撃的な痛みによる、激しい絶叫がほとばしった。彼女の膣口は、佑樹の規格外に太い肉塊を、そのすべての弾力をもって拒絶しようとする。文香の顔は、苦悶に歪み、シーツを掴む指先に血が滲んだ。しかし、彼女の身体は、痛みを訴えながらも、佑樹を拒まなかった。
文香は、両手両足を佑樹の背中と腰に絡ませ、まるで溺れる者が浮木を抱きしめるように、彼を決して逃がさないようにした。彼女の痛みに耐えた悲鳴が、ホテルの部屋の防音性能を試すかのように響き渡る。
佑樹は、文香の抵抗と抱擁という矛盾した反応に、支配欲と罪悪感の極度の高揚を覚えた。彼は、文香の痛みを全身で感じながらも、その肉塊を根元まで完全に挿入しきった。
すべてを挿入しきった佑樹は、動きを止めた。彼は、乳房を優しく愛撫しながら、文香がこの衝撃的な侵入に慣れ、痛みの波が引いていくのを待った。文香の呼吸が、激しい絶叫から、徐々に震える嗚咽へと変わり、身体の硬直が解けていく。
文香が落ち着いてくると、佑樹は深いキスをした。文香の目に涙が流れた。
文香は、本能の一番深いところで、何かが決定的に切り替わったのを感じた。あれほど好きだったはずの彰太への想いが、まるで霧が晴れるようにすべて消えてしまって、その代わりに佑樹が愛おしくてたまらない。この男を手放してはいけない、この男こそが自分の人生のパートナーであると、彼女の本能が訴えていた。自分はすっかり佑樹のものになってしまったのだと分かった。
「もう、我慢できそう。私はあなたのものです。もっと、あなたと一緒にいたい」
文香の決意の言葉を聞き、佑樹はゆっくりと腰を動かし始めた。彼の肉塊が、文香の処女を失ったばかりの敏感な膣壁を擦る。文香は、時折、痛みに呻きながらも、快感の波に乗ろうと、彼の動きに全身で応じた。
佑樹は、文香の反応を全身で感じた。文香が辛そうであればペースを遅くし、快感の波に乗っているようならペースを速めていった。文香は、佑樹に全身で抱きつき、快感と鈍痛に身を任せ、佑樹の意思で身を染めた。大きな波と小さな波とを繰り返しながら、佑樹の存在を自分の身に覚えこませた。
いつしか文香の身体から自分の意識が抜けだして、佑樹の中に吸い込まれていく感じがした。大きな波が来る。そう感じるとともに絶叫して、佑樹が自分の身体の深いところに熱い精液を吐き出したのを感じた。
ずいぶん長く流し込むものだと感じていたら、佑樹が脱力して、文香を抱きしめた。文香は改めて自分が佑樹のものになったことに多幸感を感じていた。彼女にとって、彰太との恋は、清廉な理想という名の、空虚な文学に過ぎなかった。しかし、佑樹とのこの行為は、罪を完全に超えた、紛れもない現実の愛だった。それは、彼女が長年抑圧してきた、官能的な物語の最終章であり、彼女自身の人生の新しい扉が開かれた瞬間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます