僕が攻略する現代ファンタジー! ユニーク職業に目覚めた僕っ娘が現代ダンジョンを攻略する物語

聖邪黒白

第一章 僕っ娘と職業

第1話プロローグ

世界にダンジョンが誕生して20年が過ぎた。

僕こと藤乃奏はダンジョン規制法によって定められたダンジョンに潜ってもいい年の十五歳を迎えた。


「パパー!僕、ダンジョンに行きたいっ!」


そう言って僕はパパである藤乃研に言った。

別に高校入る前にダンジョンに入ることは悪いことではないし、今のご時世ではむしろ多い方だろう。


「・・・そうか、もうお前もそんな歳か。」


「まぁ、いいんじゃないのかしら?この子ももう大人になっていく為にも必要よ?」


僕のママの藤乃美波がそう助言してくれた。

ママは僕のしたいことがわかってるっ!


「ダメ?」


そう僕がウルウルした瞳をパパに向けると、パパはウグッ!と言いながらグッと親指を突き立ててくれた。


「でも、危ない真似はしちゃダメよ?怪我したら私達が泣いちゃうからね?」


「大丈夫だよっ!僕がそんな危ない真似をする訳がないでしょ?」


「・・・まぁ、奏が怪我しない為にも俺が奮発して奏の防具とか買うから安心してくれ。でも、本当に絶対怪我をするんじゃないぞ?」


「パパは心配性だなぁ。僕が怪我したことある?」


僕は家族からの了承も得て、やっとのことでダンジョンに潜ることができるようになった。


「でも、ダンジョンに行けば寿命が延びるって言うし、可愛いままの奏ちゃんがずっと見られるなら嬉しいわ。」


「よし行こう!今すぐ行こう!」


「ちょっ!パパ手を離してっ⁉︎僕だっていつかは成長するんだよっ⁉︎」


「何を言う奏!パパは可愛い奏が永遠に残るなら、ダンジョンに潜らせるぞっ!なんなら手伝うぞっ!」


「永遠にこのままなんて、僕はやなんだからねっ!」


ぼ、僕にだって悩みくらいあるんだよっ!

ママはナイスバディなのにっ!僕はスラーンってしていて!いつかは絶対にママみたいになるのにっ!

何がこの状態で成長が止まればいいのにだよっ!

まったくっ!ママもそんなこと言わないでよっ!


「ふんっ!」


「ほらー、奏が怒っちゃったじゃない。」


「ママもだよっ!」


「あら、私も?」


そんなこんなで、パパとママと一緒にダンジョンに潜る為に防具を買いに行った僕たちは、パパが防具の値段を見て目を丸くさせたり、ママが小柄な僕に向かって短剣だっていいじゃないとか言ってきたりとちょっと堪忍袋に触るようなことを言ったきたりもしたけど、パパとママのお陰で『鉄の胸板』と『鉄の短剣』を買ってもらえた。

僕達はそのままダンジョン協会へと向かった。



       ◆◇◆◇◆◇



ダンジョン協会へと向かった僕達は受付の所にいた。


「はい、こちらはダンジョン協会の受付です。初心者登録ですか?」


「は、はい!お願いしますっ!」


とても可愛い受付嬢さんにそう聞かれちゃったから、ちょっと口ごもっちゃった。


「とても可愛いお嬢さんですね。親御さん方はお子さんの年齢を確認できるものはございますか?」


「⁉︎⁉︎」


僕じゃダメなのっ⁉︎


「・・・奏は十五歳に見えないからなぁ。ほら、学生証を持っているだろう?それを見せれば大丈夫だ。」


「学生証ですね。では、確認の為に頂戴致します。」


うー!

パパが僕は十五歳に見えないとか言いやがったっ!

ちょっといじけながらも受付嬢さんに学生証を手渡した。


「・・・ええ、しっかりと十五歳であることが確認されました。防具の方も大丈夫そうですね。では、登録用紙を記入してくださいね。」


そう言われて、登録用紙を記した。


「はい、記入の確認が終了しました。では、登録カードをご用意しますね。」


登録カードはG〜Sまでのランクが書かれてあるカードだ。

G、F、E、D、C、B、A、Sまでのランクの中でSランクは数えるほどしかいなく、Sランクになって仕舞えば将来は安泰とも言われている。

逆にGランクは初心者だ。

僕はそんなSランクを目指してダンジョンに潜りたいなぁ。

いや、潜るんだっ!


「では、この登録カードを渡しますね。」


私はデカデカとGランクと書かれた僕の名前入りの登録カードを貰った。


「では、初心者ダンジョンへと案内しますね。」


そう!ここから僕のダンジョン生活は始まるんだっ!

頑張らなくっちゃ!

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