帝都日報 理暦243年 7 の朱月

「北辺交易路で盗賊蜂起 帝国軍、鎮圧に遅れ」

帝国北辺にて武装盗賊団が交易隊を襲撃した。被害は商隊十数名に及び、積荷の大半が奪われたという。帝国軍は鎮圧の意向を示したが、初動の遅れが批判を呼んでいる。市民の不安を払拭するには、迅速な治安回復が求められる。

記者:シリウス

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「イストン区孤児院火災 住民の連携で大惨事免れる」

昨夜、イストン区の孤児院で火災が発生した。導機灯の故障が原因とみられるが、近隣住民の協力により子どもたちは全員無事に避難。「人が人を助ける姿を見た」と関係者は語り、街は安堵に包まれた。

記者:ハサウェイ

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「白鹿工房、新型外装材を発表 軽量化と耐久性を両立」

白鹿は新開発の導機兵外装材を公開した。従来よりも二割軽量化しつつ耐久度は五割増。試作段階ながら市場関係者は「次世代標準になり得る」と注目している。

記者:リグ

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「【鉄腕】の機略冴え渡る 【一撃姫】、善戦も力尽きる」

夏季大祭前特別試合は、注目の一戦ながら順当な結末となった。久しぶりに戦線復帰の【鉄腕バオ】が操る四足機【シザーキャニオン】は、観客の裏をかく装備編成で登場。軽量級の長所を存分に生かした起動で追い詰め、挑戦者【一撃姫リーシャ】の一撃を見事に封じ込めた。特筆すべきは右の大きな鉄鋏に闘技場全体を注目させ、左腕に仕込んだ射出型のスピアで虚をつく戦術。ベテランならではの技術と狡猾さを見せつけた。オッズはバオ1.59倍、リーシャ3.33倍。奇跡を望んだ観客は多かったが、結果は経験者の老獪さを証明するものとなった。試合後、バオは圧勝にも関わらず「勝ち負けは紙一重だ」と珍しく言葉少なめだった。観客の一部は「敗れても一撃の迫力は確かだった」と語り、リーシャの名は“亡霊機”と共に記憶に刻まれるだろう。

記者:ギャン

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◆ フェルさんの片隅談義

題:鉄と声と、熱狂のあとに

帝都闘技場の熱気は、まことに見事なものです。

鉄がぶつかる音に声が重なり、大地すら震えるほどの響きとなる。

けれど、私は思うのです。

熱狂が去った後に並ぶ木椅子もくいすの静けさこそが、より雄弁ではないかと。

そこに残るのは勝者の名でも敗者の汗でもなく、

「次は自分も」と夢を重ねた幾千の想いの余韻でしょう。

鉄を打つ音に学ぶもよし、木椅子の沈黙に学ぶもまた一興。

人はどちらからも未来を汲み取るのです。

── フェルディアン

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