05 アクセルの物語



 イント・ディールには、特に特徴のない、長所のない少年がいた。


 その少年の名前はアクセル。


 彼は、ある日仕事の面接を受けて、とある特殊な施設に向かった。


 そこには一人の少女がいて、アクセルはその少女のお世話をする事だった。


 少女の名前はナトラ。


 とある兵器の生体パーツとして作られた生命だ。


 時期がきたら消費される命。


 それを知ったアクセルは、彼女を救うために、その施設から救い出した。


 指名手配となった彼は、国を敵に回した事を知るが、ナトラの手を離しはしなかった。


 彼は、追っての目をかいくぐり、国のあちこちを逃げ回る。


 その果てに、かつて友人だったものが、軍人として彼の前に立ちはだかった。


 彼はそんな友からも逃げ続けたが、その逃走の終わりは訪れる。


 アクセルをこれ以上危険にさらせない。


 そう判断したナトラがアクセルの目を盗んで、軍人たちの元へ向かってしまったからだ。


 アクセルはナトラを助けに向かったが、間に合わなかった。


 駆け付けた時には、ナトラは生体パーツとして消費され、二度と戻らなくなってしまっていた。




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