ベリベリラブ/拝啓不平等な神様へ【Hello!ミニダーク編】

優希【団子って人】

第1話 ベリベリラブ。重たくて、苺のように甘酸っぱい。

2022年10月27日。スペシャリティは結成2年目で、竜は活動休止期間中。最近、竜はいつも彼らの曲を歌う夢を見ている。自分だったらこう表現して歌う、自分だったらこんな気持ちを込める。自分だったらこんな良い意味を込める……。

その時、何故かあかりに会いたくなるのだった。あかりに歌を聴かせて、喜んでくれると良いな。あかりちゃんなら俺の声褒めてくれるよな。あかりちゃん、あかりちゃん、あかりちゃん……。


あかりの夢に来ると、彼女が絵を描きながら女の子達(お爺さん達)に配っていることが分かった。あかりがしょっちゅう描いているのは、夕焼け小焼けの絵だ。夕焼けで真っ赤に染まった桐ヶ峰中高等学校の中で、あかりは絵を描き続けていた。絵は良いな、ただの白い紙が、あかりちゃんに景色を与えて貰えるんだから。


夕焼けを見ると竜は、人生の終わりはどうありたいのか想像してしまうものだ。今は27歳以降の人生なんて思いつかないけれど……。


竜は夢を昼間の音楽の授業に変えた。

あかりから絵を貰えなかった竜のアンチのお爺さんが文句を言い出したが、そんなこと竜はどうでも良かった。竜は音楽の先生になった。


ずっと歌っていた。あかりはずっと聴いてくれていた。ここは天国の夢の中。幸せだった。

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