第19話浦安のゲリラコマンダー

夢見ヶ丘学園イレギュラーハンター浦安支部は学校大戦スクールウォーズ開戦の少し前に大部分の職員や生徒せんしがダークアクシズ側に寝返っていた、しかし浦安支部とその周辺は夢見ヶ丘学園イレギュラーハンターに取って重要視されていただけ有ってそう易々と陥落する事はなかった

一時は無毛の戦乙女ヴァルキュリア性転換トランスセクシャル蜘蛛姫アラクネ浦安支部がっこうを奪還された事も有った程に浦安みつりんでの戦闘は両軍にとって苛烈を極めた

しかし浦安みつりん機甲師団を傘下に持つ浦安みつりん昆虫師団や春巻学級部隊等の奮闘も有ってなんとかその戦線に於いての勝利をもぎ取る事が出来たのである

「さあお待ちかねの活躍の時間や!」

その勝利に大きく貢献した生徒せんしの一体がのり子である、彼女は自身の特性モチーフであるクモの能力を十全フルに用いて浦安みつりんでの戦闘で多くの夢学生徒ハンターを撃破した実績から、敵味方問わず浦安みつりんのゲリラコマンダーの異名で恐れられた生徒せんしなのだ

生徒ハンター共はまだ気づいておらへんな?ほならコグモ一発行ってみようか!」

のり子はそう言うと自身の腰部から大量のコグモ爆弾をバラ撒いて集団で固まっている夢学生徒イレギュラーハンター達を不意討ちで次々と爆破して行く

絡め取る稲妻ライトニングウェブ!」

そして壁や天井を素早く移動しながら指揮官と思しき生徒ハンターに狙いを定めて追撃の絡め取る稲妻ライトニングウェブを発射し撃破する、次々と仲間の生徒ハンターが破壊され、指揮官まで討ち取られた夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンター達は混乱に陥る

「敵の反撃が鈍くなったぞ、このまま押し切れ!」

更にその混乱の隙を見逃すコテツ達ではない、指揮系統が乱れた夢学ハンター陣営を一気呵成に攻め立てる

「ノブ!崖上の方はどうなった?」

そこに空爆支援から帰還して来たノブに崖上で戦っている新部隊ニューチームの進捗状況を尋ねる、上の状況次第ではそちらにも人員を割く必要が出て来る

「まあまあ被害は出てるみたいだがなんとか制圧出来そうだ!」

その言葉を聞いてひとまずは大丈夫そうだと安堵する、目の前の敵に全力を注げると知って

「ようし、このまま敵拠点の内部に突入してのり子と合流しつつ一気に制圧する、この前の失態を此処で取り戻すぞ!!」

先の追撃戦では不覚を取り昆虫師団の評価が落ちてしまった、ならばなんとしてもこの激戦区を制圧する事でその分の評価を取り戻さなければならない、制圧しても最初の評価スタートラインに戻るだけでそこから再び昆虫師団の栄光を取り戻す戦いが始まる

謂わばこの激戦区での戦闘は新しい門出スタートの為の初戦はじまりに過ぎないのだ、悪の組織と云う性質上その評価はどこまでも厳正ドライで情け容赦無い手厳しいものになるだろう


そしてしばらくの時間が過ぎ去り、基地スクール内部に突撃した昆虫師団は完全に拠点がっこうの制圧を完了した、崖上の防衛部隊ガードチーム新部隊ニューチームが多大な犠牲を出しながらもなんとか攻略を成功させたようだ

「ようし!任務ミッション完了コンプリートだ、贖罪の時間たたかいは終わった、新部隊ニューチームも良くやった、上出来だ!」

仲間意識チームワークが希薄とは云え役に立って戦果を挙げたのならば素直に賞賛する、悪の組織である事に間違いはないが彼女達は信賞必罰を信条おきてに掲げる戦争組織グリーンカラーである、成果を出した者にはちゃんと労いの言葉をかける

「諸君、ここから昆虫師団の新しい戦いが始まる!堕ちた名声を取り戻すぞ!!」

コテツの言葉にその場の全生徒せんし達が勝鬨かちどきの声を上げる、昆虫師団の栄光を再び取り戻す戦いがここから始まるのだ!

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