番外戦線

第16話昆虫番外戦線

大総統の想定外の戦闘能力もあり、惜しくも【ノア】を取り逃がした昆虫師団の生徒せんし達、大総統の逃走経路を割り出すと云う成果を挙げた事で厳罰は免れたものの受けた損害には釣り合わず、昆虫師団は夢見ヶ丘学園内部の夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンター残党が立て籠もる渓谷基地がっこう制圧任務じゅぎょうを受ける運びとなった

「今度の任地はかなりの激戦区らしい、多くの生徒せんし達が夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンターの残党共に撃破されていると聞くぞ?」

ノブが今回の戦場についての情報データを閲覧しながら説明してくれる、多数の戦死者を出している激戦区、これが今回の失態に対しての罰であるらしい

「激戦区か、いいね、それくらい攻略難度ポイントが高い戦場じゃなけりゃ名誉挽回に繋がらないってもんさ?」

しかしコテツを含め昆虫師団の面々メンバーの表情はどこまでも明るい、むしろ早々に舞い込んで来た名誉挽回の機会チャンスに嬉々としている

損耗率の高い死地に放り込まれる事よりも生徒せんしとして使い物にならないと判断されて見向きもされない事の方が彼女達に取っては最大級の屈辱なのだ

どうでも良い任務じゅぎょうでグダグダ名誉挽回が遠退くぐらいならば潔く戦場で散りたいと心の底から即答する程の生粋の生徒せんし気質なのである

「そうと決まれば早速その激戦区とやらに出撃してウチ等の評価を取り戻そうや?」

まるでコンビニに買い物しに行くような気楽な口調でのり子が言う、どんな死地や激戦区で有ろうとも、自身の戦闘力ちからに絶対の自信を持つが故の余裕である


その頃、コテツのあにであるハルオは昆虫師団本隊の失態と激戦区への出向の話しを部下の生徒せんしから聞いていた

「フウムあのコテツが失敗とな?ヌフフまあそんな事もアロウとも。ウヌ?これはあの新部隊ニューチーム能力ちからを試す絶好の機会チャンスではゴザラヌか!」

彼女かれの語る新部隊ニューチームとは新しく手に入れた新生徒せんし達の事である

学校大戦スクールウォーズが終わった事でダークアクシズの侵略の矛先が学園わくせい外に向かう事となった、侵略した他地域わくせい並行世界パラレルワールドの住民を破壊し、その人々の魂を生徒の命の源である生命スパーク加工カスタムして作り置きしている素体プロトフォームに装填する事で生徒せんしを増産して戦力の拡充を図っていた(因みに不必要な記憶メモリ加工カスタムの過程で全消去デリートされ性格や性質アライメントもダークアクシズの生徒せんし用に洗脳調整される)

新部隊ニューチームと言われますと、少し前に返り討ちにして捕縛したあ奴らを改造カスタムした生徒もの達の事でございますか?」

それとは別に別の世界ワールドや他地域わくせいからの侵略者の挑戦や侵攻も嬉々として迎撃している、その際に破壊せず捕縛した敵勢力の捕虜も改造カスタムの材料にされて戦力に組み込まれるのだ(男性の捕虜は殆ど捕らない、ダークアクシズが捕虜にするのは女性ハナだけと云う決まりがある…一部趣味嗜好ぞくせい故の例外は有るが)

「ヌフフ、その通りでゴザルとも、我輩が手ずから改造カスタムして生み出した浦安みつりん機甲師団の新部隊ニューチーム、その名も【四つ模様親衛部隊トランプスート】でゴザルとも!」

新たな邪悪な軍団が昆虫師団への増援として出撃しようとしていた

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