補給基地攻略戦

第6話大型輸送探査船ノア

夢見ヶ丘学園イレギュラーハンターが誇る巨大輸送探査船【ノア】に乗って敗残した夢見ヶ丘イレギュラーハンター大総統である若松都と仲間の生徒ハンター達は学園を脱出していた

「私も学園ほしからの撤退は無念でなりません、ダークアクシズとの激しい戦いが続いたからな…あの跳躍空間ワープゲートの向こうにある場所が我等の新天地がっこうになる事を願いましょう」

大総統の横を歩くのは夢見ヶ丘イレギュラーハンターの総隊長兼大総統の副官を務めるアイアン、その後ろを歩くのは夢見ヶ丘イレギュラーハンター戦闘員のリネットと看護員のラチェットの二体である

現在学園から脱出した【ノア】は補給基地パーキングエリアフネのエネルギーを補給している最中である

「エネルギーの補給はどうなっていますか?」

エネルギー補給中は全くの無防備であり、もしそこをダークアクシズの戦艦に狙われたりすればひとたまりもない

「問題ありません、もう少しで補給は完全に完了します」

夢見ヶ丘イレギュラーハンター補給員ラックが大総統の問いに答える、そこにこの補給基地パーキングエリアの司令官ピラルクがやって来た、彼女は名前通り熱帯魚ピラルク特性シルエットを身に宿す生徒ハンターである

「大総統、基地スクールの全情報データの処理と集積が完了しました、後はこの補給基地パーキングエリア閉鎖処理シャットダウンに入るだけです」

夢見ヶ丘イレギュラーハンター本隊が総撤退する以上は残念ながらここは引き払う他ない、知名度が低い拠点ならば敵の目を誤魔化して潜伏も可能かもしれない、しかしながら此処は夢見ヶ丘イレギュラーハンターの大規模な補給基地パーキングエリアとして名が広まっており、敵の部隊チームの襲撃は時間の問題である

「大総統、補給作業が終了したとの報告がありました」

ラチェットはとても気怠そうダウナーな雰囲気と陰険そうな外見や睨見つけているような鋭い眼つきで誤解されやすいが性格は至って真面目かつ看護員なだけあって非常に仲間想いである、ただ看護の仕事に強い責任感と熱意があり過ぎる為に強引な行為や乱暴な言動が目立つせいか初見の相手からは野蛮で粗野な印象を持たれがちである(あと生徒ハンター共通の好戦的かつ攻撃的で狂暴な気性も持ち合わせているせいか看護員なのに最前線でバリバリ戦う生粋の武闘派な為に戦闘員と誤解されがちなのだ)

「わかりました、それでは…」

その時、突然の警戒音アラームと共に大画面スクリーンに二隻の戦艦バトルシップが映された

「ダークアクシズの追っ手です、一隻は昆虫師団の!」

コテツ率いる浦安みつりん昆虫師団はダークアクシズの中でも学園中にその名を轟かせる屈指の強部隊である、コテツのあにであるハルオの機甲師団もその戦力の一部なのだ!

緊急発進スクランブルです、直ちにノアを発進させます!」

「了解、みんな聞いたな!緊急発進スクランブルだ、すぐに出発するぞ!!」

大総統の緊急発進コトバを受けて、アイアンが声を張り上げ全員に発艦を急がせる

「ピラルク、貴女達もなんとか逃げてください」

敵が二隻で接近している以上は自分達だけではなく、補給基地パーキングエリアも狙いの一つに違いない、故に大総統は基地スクールの指揮官であるピラルクに脱出を促す

「了解です大総統、御武運を!」

その気遣いにしかし彼女は決意を籠めた瞳で挨拶を返す、恐らく一隻だけでも引き付けて大総統の脱出を支援するつもりなのだろう

それが解ってても生徒ハンターとしての覚悟と自分達が生き残らねば夢見ヶ丘イレギュラーハンターの命運が尽きる事を良く理解しているが故に二の句は告げない

「総員発艦、なんとしても敵を振り切ります!」

生き残りダークアクシズを打倒する事がその覚悟に報いる術であると決断して

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