第2話 ラジオ、銃口、そして
こんな夢を見た2
こんな夢を見た。
私は夢の中で十歳くらいの子供になっていた。ハンバーガーチェーンの横にアスレチックを兼ねた謎解きゲーム会場があり、それに参加していた。全てが終わる頃には深夜になっていた。近くにあった森に移動する。
いつの間にか他の子供はいなくなっており、その場を監督する中年の女性だけになっていた。
「この花は何?」
真っ暗闇の中、ピンク色の花を指して女性に尋ねると、
「今何時だと思ってるの。静かにしなさい」
と邪険にされた。
朝五時になると母親が車で迎えに来ることになっている。夜の森の中、テントを見つけた。ベッドもあり快適そうだったので、荷物を持って忍び込む。ベッドに横になると、急に身体が重くなり満足に動かせなくなった。怖くなって何とか腕を動かしスマートフォンで母親に連絡しようとすると、手から端末が滑り落ちた。
「すみません、スマホを取って下さい」
近くにいる筈の中年の女性に声をかける。応答はない。
「すみません!」
大声を出すと、
「この森の近くには病院があって、八人の患者さんが今寝ているの。騒がないで頂戴」
と冷ややかな女性の声が返ってくる。
「母と連絡が取りたいんです。お願いします」
尚も食い下がると、中年の女性は何も言わなくなった。
しばらくして目を瞑っていると、ふと影がさした。誰か来ている――先程の女性がスマートフォンを取りに来てくれたのだろうか。目を開けると、顔が古いラジオになった異形の人間が銃を持って立っていた。もう一人いる。もう一人の顔は見えないが、ろくなものではないだろう。
「私を殺すんですか」
ラジオは答えない。時々ノイズのような音を返すだけ。
しばらく膠着状態が続いた。私は観念して言った。
「騒がしくしてすみませんでした。私のことは殺してもいいです。でもお母さんには手出ししないで下さい」
ラジオは私に銃口を向けたまま、ノイズを垂れ流すだけだった。…………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます