僕の想い、ただそこに愛だけが残る。
@Harunomuku
足りない言葉
貴女に言葉を送ろうと思う。そう考えた時に浮かぶ言葉は陳腐なものばかりだ。どうしてこんなにも、僕の想いを伝える言葉はないのだろうか。僕の力量不足と言われればそれまでだ。だけど、貴女を表す言葉なんてないのだ。貴女は美しい、貴女は素晴らしい、貴女が大好きだ、そんな言葉は陳腐でしかない。夜の暗闇でも貴女は輝いて見えるなんて言葉もどこかから借りてきた言葉のように感じる。
愛おしい貴女のために言葉を紡ぎたいのに、僕の言葉はどうしても足りない。それが僕の恋愛論だ。言葉にしたいのに足りない、貴女という僕にとっての神様で、偶像崇拝の対象である存在に、僕の言葉は無価値になってしまう。僕はイエス・キリストにはなり得ないのだろう。
貴女が嬉しいと言った言葉達でさえ、僕にとっては有象無象でも言える言葉に感じてしまう。貴女に想いなんて伝わらず、きっとモブAでしかないのだろうと思ってしまう。それでも、貴女への偶像崇拝が辞められず、貴女への現実崇拝も辞められない。僕にとってアイドルであり、好きな人であり、愛おしい人であり、言葉を紡ぎたいと想える唯一の人が貴女なのだ。
僕の言葉はどこまでも空虚で、どこか自己主義的で、自己満足を含んだものなのだと自覚している。それでも、この貴女への想いだけは偽物ではない。言葉に出来ない言葉をこの文脈に潜ませているんだ。どうしようもない僕を少しだけでいいから、見てくれませんか。僕の言葉に耳を傾けてくれませんか。僕と少しだけ未来を見てくれませんか。
僕はいつか選択を迫られ、僕は貴女に選択を委ねるだろう。その時まで、言葉を重ねよう。恋愛論を紡ごう。足りない言葉で愛を重ねる。
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