人間として生きている

大事だと思えば思う程、なんにも喋れなくなった

そんなの酷いよ、と言われて

ああそうだ。僕って酷いんだ、と妙に納得する

地球の反対側にも僕らと同じみたいな人間がいて、全然反対だって気はしないよね。と、君が言って、そうだねと答える。そうだと思うから

僕はいつも幸せなんだろうと思うんだけど、最低な日もあって、そんな日は誰かの悪意や悲しみが今の僕に集まったらいいと願う。僕は既に最低になっているから、これから嫌になっちゃう未来がある人がその時泣かなくて済むように。

冷たいね、と言われて

そうなのかもしれないね。と答えるけど本当にそう思うから冷たいままだ

とおくで雷が鳴っている。少しだけ振動が腹まで届いて母を思った、数十年前のきょう、母は腹を痛めてまで僕を産んだ。

母さん。僕って冷たいと思う?

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