第3話

 太陽騎士団の、拠点は駅と市役所の間にある。川に落とされたかなめは、シャワーを浴び、髪をタオルでがしがしと拭いていた。

「かなめ不機嫌だな。どうした?」

 振り向くと、背の高い少年がいた。琥珀色の目に、不機嫌そうな自分が見えた。

「優樹さん」

 団の中でも、上から数えた方が早いくらい強い人で、かなめにとってあこがれの人でもある。

 そこへ穂波がやって来て、言った。

「負けたんだ、たぶん採取職の少年に」

「俺は、負けてない」

「相手にされなかったのだろう?川に落とされたのだから」

「どんなやつですか?」

「たぶん、六等星の新人で、背はかなめと同じくらい、豆柴みたいな可愛い感じの子だった」

 パッと頭に浮かんだのは、幼馴染の少年だった。

「静って名前ですか?」

「名前は、聞いてない」

「たぶん、そいつ俺の幼馴染です」

「強いのか?」

「強いですよ。かなめじゃ相手にしてくれないかな?」

 優樹が苦笑した。

「どれくらい?」

 かなめが聞く。

「うちの中だけなら、かなり上の方、弓だけならトップに立てると思う」

「そんなに強いのか…」

「セフィロトツリーに、凪って子がいるでしょう?あの子は静の妹で、兄さんには敵わないとよく言ってますよ」

 まるで、必中のスキルでも持っているみたいだと。

「うちに入ってくれないかな?」

 穂波のつぶやきに、優樹は苦笑した。

「無理だと思いますよ」

 静には、採取職の方があっていると思う。

 優樹は仕事が終わったから帰ると穂波に報告して、そのまま六等星の店に向かう。

 ビル2階の店に行くと、ハーブの香りがした。

「あっ、ゆうちゃんだ」

 静が店から出て来た。

「あら、お友達?」

「はい。幼馴染のゆうき君です」

 優樹は二人の側に行き、挨拶をした。

「初めまして、優樹です。太陽騎士団に所属してます」

「あそこに所属できるなんて、凄いわね。私は、六等星の六花よ」

「知ってます。よくここの使ってるんで」

 団の女性達のあこがれの女性らしく、よく話題になっているのだ。

「あら、本当?嬉しいわ。良かったら優樹君もいらっしゃい、これから店長が結晶花を加工するの」

 優樹が目を見開いた。

「いいんですか?」

「もちろんよ。静君のお友達なんでしょう」

「嬉しいです。前から興味があって」

 三人で店内に行き、優樹は葵に挨拶をして、見学をさせてもらった。

 葵は、なにか描かれた紙の上に、花と丸い石を置いた。たぶんガラスペンで文字っぽいものを書きたしている。インクがないのに、書けているのが不思議だ。

「良く見ててね」

 トンと、紙を叩くと、文字が光って花と石が溶けたかと思うと、再び丸い石に戻る。

 葵は二人の前に石を置いた。

 石の中に、花が入っている。それに、かすかに、花の香りがする。

「えぇ、なんで?」

 静が目を丸くしている。優樹は、何か良いものを見たとつぶやいた。





 

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