第12話 恭介の本性
恭介は教授としても、研究成果でも、想像以上の成果を出していた。それは過去において自分に力を貸してくれていた静香の協力の下で、行われていた研究だった。
その悪夢の中には想像だにしない真実が隠されていた。子供たちが、場所はハッキリ分からないが、深夜こっそり集団で連れ出され2度と戻ってこないという恐ろしい江梨香の夢にヒントが隠されている。
江梨香が見る悪夢の真実が徐々に炙り出されようとしている。
「俺はノーベル賞を取る為には、どんな事もする。結婚だってその為の手段に過ぎない。愛人だってより自分の為に協力的な女が必要だった。静香は俺に全面的に協力してくれた。だが、子供たちだけは違う。愛する2人の娘だけは自分の命に代えても守りたい!」
恭介は悪魔に魂を売ったのだろうか?
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「どういうつもりだよ。お前が不妊治療が耐えられないっていうから、血縁の子でいい子いない?っていうから江梨香を養女にしたんじゃないか。それを散々江梨香を虐めて……どういうつもりだよ!💢💢💢」
「あなただって私を裏切っていたでしょう。あなた私全て調べたのですよ。江梨香は不倫相手との間に授かった子供だったのでしょう。よくも私を騙してくれたわね。許せない!私父に全て話すから」
恭介は困り果てた。自分の夢は研究成果を出してノーベル賞を取る事だ。日本最高峰大学国立大学付属病院の研究所に籍を置いて研究成果も出て、あと一歩と言う時に義父の機嫌を損ねたら今までの研究は水の泡。
(娘美琴が最も毛嫌いする愛人の子を面倒見せていたとなると、ひょっとしたら教授を解任されるどころか、大学病院を追われてしまうかもしれない。日本最高峰病院での研究が出来なくなってしまう。そして…永遠の夢だったノーベル賞もあと一歩となった今追い出されたら、ノーベル賞の夢は永遠に断たれてしまう。そうなれば俺に何が残ろうか?嗚呼……何とかしないと)
「美琴許してくれ!俺は今静香とは一切関係ない。お前の考えの過ぎだ!それから静香の事がそんなに心配だったら調べればいいじゃないか。俺は美琴だけだ」
「あなた私調べたのです。するとあなたが喫茶店で静香さんと会っている証拠を掴んだのです。今更そんな噓通用しません!💢💢💢」
「確かに静香と喫茶店で会ったことは認める。只……それは子供をこちら側に引き渡してもらった謝礼金の話で、話し合っていただけだ!嗚呼……2日前静香から連絡が来て静香は再婚するらしい。考え過ぎだよ。俺は美琴だけだ」
「嗚呼……そうだったのね」
平穏な家庭に戻ったかに見えるが、事態が急変する。実は…病院長の定年退職だ。義父聡が65歳で定年退職となった。
🐁
マウス実験からの進展 NMNの研究は、マウス実験において顕著な抗老化作用が示されていたが、ヒトへの臨床試験は最近始まったばかり。特に、2016年には日本のK大学と米国某大学が共同でヒトへのNMNの安全性確認のための臨床研究を開始し、安全に投与できることが確認されたのは大きな一歩とされている。
2016年からK大学と米国某大学の研究グループは、NMNがヒトに安全に投与できるかを調べる臨床研究を行った。この研究では、40歳から60歳の健康な男性10名を対象に、100mg、250mg、500mgと異なる量のNMNを経口で単回投与し、その影響を評価した。
だが、ここまで辿り着くプロセスには、恭介のたゆまぬ臨床成果があっての事なのだ。臨床研究を開始し、安全に投与できることが確認された背景には恭介が密かに進めた研究成果が実を結んだ結果だった。
誰もが崇拝する日本最高峰脳神経外科教授神宮寺恭介の名は、世界にとどろいている。
そんな時義父聡が東都大附属病院を定年退職した。どんなお偉い病院長と言えど定年退職すれば、その権威は以前のようにはいかない。地に落ちたも同然だ
もう誰も怖いものが無くなった恭介は妻美琴が許せない。色んな女が恭介を通り過ぎて行ったが、やはり別れられない女は静香だ。
(あの女は俺の研究に力を注いでくれた)
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それでは…江梨香の母静香の結婚はその後順調なのか?
実は…静香の結婚相手は、総料理長57歳の息子で静香と年齢が一緒だ。どうも帝都ホテルの総料理長が若気の至りで、できちゃった婚で誕生した子供だったのだが、父と同じ料理の道に進んでいたのだが、静香の元夫昇の友人で家によく遊びに来ていて、静香に密かに思いを寄せていたようだ。
あの時は結婚予定だったが、結局結婚には至らなかった。静香は娘が虐待されている事を恭介から聞き目が覚めた。そこで可愛い娘を自分の手で育てようと考えたのだ。告られ結婚も1つの選択肢と思い考えたが、娘を引き取る事でその話は立ち消えた。
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恭介は教授としても、研究成果でも、想像以上の成果を出していたが、それは悪魔の領域に手を染めた結果だった。
現在NMNとして研究や製品化されているのは主にβ-NMNである。生体内でNAD+という物質に変換され、若々しさや健康維持に役立つと考えられている。
NMNは、製造過程でα型とβ型が生成される場合があるが、化学合成によってNMNが作られる際に、α-NMNが副生成物としてできてしまうことがある。
酵素法や発酵法でNMNを合成する場合、β-NMNが主に生成されるが、化学合成ではα-NMNも生成されやすくなる。
NMNの精製技術によっては、α-NMNとβ-NMNを完全に分離しきれない場合がある。特に高純度を謳う製品でも、微量のα-NMNが残存する可能性がある。α-NMNはβ-NMNと分子構造が非常に似ているため、通常の分析方法では検出が難しい。これにより、α-NMNが混入していても見過ごされてしまう可能性も考えられる。
α-NMNが製品に混入した場合、以下のようなリスクが考えられる。
生体内で効果を発揮するのはβ-NMNだと考えられているため、α-NMNが多く混入していると、期待される効果が得られない。
α-NMNの生体内での作用や安全性に関する研究はまだ十分ではない。そのため、α-NMNを摂取した場合に、予期せぬ副作用や健康への影響が生じる可能性が考えられる。
α-NMNは体内で有効に利用されない可能性が高いため、α-NMNが多く含まれる製品は、期待される効果に対する費用対効果が低いと言える。
化学合成で作られたNMNには、通常の分析では検出が難しいα-NMNが混入している可能性がある。しかし、体内で効果をもたらすのはβ-NMNであると考えられているため、製品によっては、期待した効果が得られないだけでなく、未知のリスクにつながる可能性も否定できない。
市販されているNMN製品の中には、品質や安全性の面で問題が指摘されているものもある。NMNの含有量が表示と異なる製品や、NMNが全く検出されない製品も確認されている。
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現在NMNとして研究や製品化されているのは主にβ-NMN。生体内でNAD+という物質に変換され、若々しさや健康維持に役立つと考えられている。
β-NMNは、体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という重要な補酵素の前駆体となる。NAD+は加齢とともに減少するとされており、NMNを補給することでこのNAD+レベルを維持し、さまざまな効果が期待されている。
NAD+は長寿遺伝子として知られるサーチュインの活性化に関与し、肌のキメが整い、熟睡できるようになるなど、若々しさを保つ効果が期待される。
活力向上や体力回復、思考力や集中力アップ、代謝の改善などが報告されている。
更には糖尿病やアルツハイマー病などの加齢に伴う疾患の改善にも期待が寄せられている。
これらの効果は、主にβ-NMNを用いた研究で確認されており、経口摂取によるサプリメントが一般的だが、点滴による摂取も行われている。
一方で人体影響が未解明のα-NMNがある。α-NMNは、体内でNAD+という補酵素に変換され、エネルギー代謝や細胞修復に重要な役割を果たし、健康維持やエイジングケアへの効果が期待されているが、過剰に摂取した場合のリスクについては、まだ十分に解明されていない。
例えば、必要以上に摂取することで、肝臓や腎臓に負担がかかる可能性が考えられる。 消化器系の不調や頭痛など、軽度な副作用が報告されている。長期間にわたる高用量摂取が、体にどのような影響を及ぼすかは、現段階では不明。
NMN製品を選ぶ際には、その純度が非常に重要になる。特に「絶対純度」という考え方があり、これは、原料に含まれるすべての物質のうち、β-NMNがどれくらいの割合を占めるかを測定したものだ。不純物が混入していると、効果が薄れるだけでなく、思わぬ影響が出る可能性も考えられる。
世界初の 東都大学の研究グループは、2021年10月1日に発表された研究において、「高齢男性を対象とした初めてのNMN臨床試験である」と発表した。この研究は、健康な高齢男性に1日250mgのNMNを12週間経口摂取させ、NAD+および関連代謝物の血中濃度の上昇、歩行速度や握力などの運動機能の改善を明らかにした。
40歳から60歳の健康な男性10名を対象に100mg、250mg、500mgと異なる量のNMNを経口で単回投与し、その影響を評価したと、あるが、それ以前に恭介があらゆる方法で臨床試験を模索した結果が現在に繋がっているのだ。恭介はどんなことをしても、この研究で成果を出したかったので無理をしていた。
化学合成で作られたNMNには、通常の分析では検出が難しいα-NMNが混入している可能性がある。しかし、体内で効果をもたらすのはβ-NMNであると考えられているため、製品によっては、期待した効果が得られないだけでなく、未知のリスクにつながる可能性も否定できない。
マウスである程度の成果を出せたので、ヒトへのNMNの安全性確認のための臨床研究を開始したとは表向きの事で実際には、マウスでは結果が出にくかったのでヒトを使った臨床研究が行われていた。
それは上記にも記したようにα-NMNが多く混入していると、期待される効果が得られない。
酵素法や発酵法でNMNを合成する場合、β-NMNが主に生成されるが、化学合成ではα-NMNも生成されやすくなる。
NMNの精製技術によっては、α-NMNとβ-NMNを完全に分離しきれない場合がある。特に高純度を謳う製品でも、微量のα-NMNが残存する可能性がある。α-NMNはβ-NMNと分子構造が非常に似ているため、通常の分析方法では検出が難しい。これにより、α-NMNが混入していても見過ごされてしまう可能性も考えられる。
α-NMNの生体内での作用や安全性に関する研究はまだ十分ではない。そのため、α-NMNを摂取した場合に、予期せぬ副作用や健康への影響が生じる可能性が考えられる。
この様な臨床研究を愛人である静香の育った施設の子供を利用して、NMN臨床試験を行った結果1名の人命が奪われる事態が発生していた。
江梨香が思い出す悪夢「その悪夢の中には想像だにしない真実が隠されていた。子供たちが場所はハッキリ分からないが、深夜こっそり集団で連れ出され2度と戻ってこないという恐ろしい夢なのだ」
この実験で死亡した子供もいれば、入院を余儀なくされた子もいたので、この様な悪夢がよみがえって来たのだ。
それでは…何故施設の子供たちの悪夢を見るのかと言うと、優秀な母静香と施設を訪問して静香は子供たちに僅かばかりだが、物品の提供や施設でパテシェ―ルとしてクリスマス時期に、子供たちとケーキ作りを開催していた。江梨香も小さいながら参加していたのだ。
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