第2話



チュンチュン……。


カーテンの隙間から光が差し込み、まぶたの裏がじんわり白く染まる。

シーツの感触が、現実に引き戻してくる。


目を開けると、見慣れない天井

頬に手を当てると、涙のあとでじんわりと濡れていた。


「……また、あの夢」



いったい、何度目だろう。



夢の中のあの光景は、

まるで私の中の“現実”を呼び覚まそうとしているみたいで。


でも――思い出したら、何かが変わってしまう気がして。

そんな思いに駆られながら、私はいつも目を覚ます。


ぼんやりとした頭の奥で、あの声が残響のように響いていた。



呼ばれた気がした名前も、掴もうとすると霧みたいに消えていく。


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