『完結したけど伸びなかった作者の創作論』 ― それでも毎日書く理由 ―

@kakituki

第1話  完結したのに伸びなかった話

『完結したけど伸びなかった作者の創作論』第1回


 僕の小説は、完結しています。

それも、99話の作品です。


支援職執事は侍を護りたい。 でも、バフの副作用がちょっとアレ

https://kakuyomu.jp/works/16818622173463790163


 それなのに、PVはおよそ2600。☆は32。♡は285。

……正直に言えば、もう少し伸びると思っていました。


 もちろん、数字がすべてではありません。

アリシアたちのことは、大好きですし、最終回にも満足しています。

星をくれたり、感想や♡をくれた読者様には心より感謝申し上げます。


 でも、完結ボタンを押したあと、

静まり返った通知欄を見たときは、少しだけ胸が痛みました。


 「完結したら伸びる」という話をよく聞きます。

実際、そういう作品も多いですよね。

だから僕も信じていました。

“最後まで書けば報われる”と。


 でも、現実は違いました。

完結してもランキングは動かず、

新しい読者が増えたのは一瞬だけ。

翌週には、また静寂が戻ってきました。


 ――どうしてだろう、と考えました。


 そして気づいたのは、「完結」はゴールではなく“記録”なのだということです。


 読者にとって、作品はいつだって「今が旬」でしかありません。

完結は作者にとっての達成ですが、読者にとっては“もう終わったもの”になります。

つまり、僕が走り切った瞬間に、読者の視線は次の更新中の誰かへ移るのです。


 残酷なようですが、自然なことだと思います。


 でも、じゃあ完結に意味はないのか?

そんなことはないと、僕は思います。

むしろ、完結には“信用”という力があります。


「この作者は最後まで書く人なんだな」

そう思ってもらえるだけで、数字以上の価値があります。

それは、次の作品を読んでもらうための信頼になります。


 たとえPVが少なくても、完結した物語は消えません。

検索されることもありますし、いつか誰かがふと読むこともあります。

──支援職執事は侍を護りたい。 は、今でも♡をくれる人がいます。

すごく……嬉しいことです。


 数字には見えないところで、作品は残り続けているんです。

それに、読者様からの言葉に一喜一憂することはとても、楽しいことです。


 だから、僕は完結作を誇りに思っています。

伸びなかったけれど、“最後まで書けた”という事実が、

何よりの成長だと思うからです。


 次回は、そんな僕が実際に試した

「投稿時間とPVの関係」について話してみようと思います。

朝6時投稿は本当に有利なのか?

数字で見えてきた、ちょっと残酷で面白い結果をお話しします。


 カクヨムで今年書き始めたばかりの

新参者のお話に付き合っていただければ、幸いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る