第41話 ろく様の作品
企画にご参加ありがとうございました。
仮面浪人ネタは二人目ですが、内容が異なったのでホッとしましたw
では、早速…
♢
私の心は鉛の塊。
「チハ、相談て何?」
「私ね、実は仮面浪人なの」
誰にも言えなかった秘密を打ち明けた。
二つ上の学年、三年生の徹君は大人っぽく落ち着いた顔で眉を少し上げて続きを促す。
→一人称視点で、先輩と話しているわけですね。
先月学食で知り合ったばかりなのに意気投合して彼氏になった。私よりもずっと考え方が大人で頼りがいある。誰にも言えず抱えてきた気持ちを打ち明けたのはそんな徹君だから。
→急接近カップル。
「チハ、毎日すっごく楽しそうだよね」
「うん。仲いい友達ができたし、教授の話も面白くて」
何より徹君に合えたから。文句なし、満点の大学生活。
でも……
「志望校に合格したら、来年はこうしていられないんだね」
口にしなかった私の言葉を徹君は代弁してくれる。他にも、溜め込んでること、言いたくなっちゃうよ。
→徹君、エスパー並み。
「実はね、まだあるの。私、一浪でここに来たの。皆より歳上。でも、言いそびれて。隠しながら話してるとチクッとするときもあるけど、合わせてきたんだ。わかる、同じだねって」
それくらい、今が大事。
「もし、合格したら、行きたかった大学に行くべきなんだと思う。でも、学校を変えてからやっぱりやめておけばよかったって思ったらどうしよう」
迷ってるの。徹君、私どうしたらいいんだろう。
もうとっくに食べ終わった氷菓子のスティックを握りしめて視線をそこに留めたまま、徹君の言葉を待つ。
→答えの無い問いで、リアルですね。
「僕が思うにさ、チハの心はもう決まっているよね」
私は顔を上げて徹君を見た。
そう、なのかもしれないけど……
「悩むことないんじゃないかな。簡単なことだよ。チハはここにいたい。だから、入試は受けない。つまり【仮面浪人】の【仮面】を被っていただけってこと。本当のチハは仮面浪人じゃない。ほら、解決だ」
徹君は笑顔で言う。
「もう、からかわないでよ。真面目に悩んでるのに」
「僕だって真面目さぁ。ん? いや、待って。今のはベストな答えじゃないな。正しくはこうかな【【仮面浪人の仮面】をつけて悩む仮面】をつけているチハだ。これで仮面を外せば悩んですらなくなるよ!」
→悩み方はリアルだし、回答もあながち間違ってはいないですねwww
「チハはチクッとしながらも友達に共感し楽しんでいるふりをしている。つまり、チハは【仮面現役一年生】だ」
「それは……そうかもしれないけど、本当に楽しいの!」
「うん。わかっているよ。だからこの表現は厳密には正しくない」
つまり?
「正しく表現するのなら【【現役一年生を楽しんでいる仮面】をつけて悩む仮面】をつけているチハなんだ」
→そうかもしれませんねw
「要するにさ、仮面とか、そんなこと考えている時点でナンセンスってこと」
徹君はそう言って優しく微笑んだ。
考えすぎだよ、って言ってくれてるのかな?
→そうかもしれませんねww
「ありがとう。こんな事考えられるなんてやっぱり徹君はすごいね」
「そんなことないよ」
「とりあえず話せて少し楽になったかも」
→志望校とは一体www
聞いてもいいかな。彼女だもん、聞いてもいいよね?
「徹君って今年で何歳?」
「さぁ」
さぁ?
「徹君て学部どこだっけ?」
「どこかな」
徹君?
答えたくないのかな?
でも、なんで?
「テツ君もやっぱり仮面をつけていたりするの?」
徹君は優しく微笑む。
何だろう。この違和感。
「んー。僕の答えは変わらないよ。そんなこと考えている時点でナンセンスってことさ」
→徹君とはあんまり関わらない方がよいのではwww
♢
総評
会話の妙や徹君のキャラクターを楽しむ作品という感じでしょうか。
前のめりな断定に、若干丸め込まれているようにも見え、主人公はそれをすごいと感じているようですが、正体不明の徹君とこのまま関係を続けて大丈夫なんでしょうかw若干ホラー。
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