第37話 馬村ありん様の作品
企画にご参加ありがとうございます!
企画での交流はお久しぶりですね。
では早速……
♢
ブラスナックルの拳をその顔面に見舞う。男が悶絶する。
→いいぞいいぞ!私的制裁!現行犯だし!
察するに、俺の仮面マスクが恐ろしいのだろう。それも無理はない。エナメル質の黒くて凹凸おうとつのないこの仮面は、高級自動車の車体のような美しさを持っているが、顔面に貼り付けていると異様さを醸し出す。
→カッコいい!
その後、玄関の郵便受けから新聞と手紙を回収する。手紙は、在宅ワークでやっているプログラミング作業に関するもので、次回から給与明細は電子版での送信に全面的に切り替わるとのことだった。
→急に日常感が!
俺の正義は広がっている。父を思って両手を合わせた。あれから十年。通り魔に父が殺されてから、ずっと戦い続けてきたのだ。
→通り魔との対決かと思いきや、マスクを被るきっかけであり、主人公は正義という観念のために戦っているのですね。
「本当に黒仮面なの? 信じられない! 本当に電話が通じるなんて。あなたの公式サイト、デマかイタズラかと思った」
→オープンな存在なの?!w
「私の代わりに復讐をして欲しいの。ひどい男なのよ。私の家に押し入って、モノを盗んだ挙句、強姦してきたの」
話している途中から涙声へと変わった。
→なんか!怪しい!w
「黒仮面、奪い取ってくれたのね!」
奪い取る?
その言葉に全身が凍りつく。
「それは土地の権利書。あいつの土地のせいで道路拡張できなかったから困ってたのよ、私の会社」
首を右に傾けて女は微笑んだ。
「李はマフィアなんかじゃない。ただの市民よ」
「きみは、俺を騙したのか?」
→主人公!自分で調査しないタイプ!
男は目を見開いた。女は悲鳴をあげた。チャンスができた。その隙に俺は男の手をはたき、銃を奪い取った。
「ま、まさか撃たねえよな」
男は顔を青ざめさせたが、俺は引き金を引くのにためらいはない――バン・バン・バン!
→撃つしかない!
俺は街の裏通りを歩く。いつか李にも謝罪しなくてはなるまい。短絡的にも、あんな嘘話を信用してしまったのだ。
→李さん……!!
これを被るため、俺は鼻をはじめとする顔のパーツをナイフで削ぎ落としていたのだった。
仮面に合わせて、人は顔貌を変えねばならない。それが俺の信念だ。
→ここに歪んだ正義が来たのが良かったですね。
♢
総評
ラストがすごく良いだけに、途中がややコミカルに感じたのが惜しい気がしました。
生活感を無くし、女社長の演技をうまくし、主人公の落ち度を失くして、なんなら罠をはったくらいにして……、で、読者的に「カッコいい!」と思ったら狂人だった……みたいな?
父がなぜその仮面を作ったかも気になりますね。
非常に魅力的なお話でした。
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