第8話 彩偉雷(さいらい)
『どうしてオレは
その
そして四人の総意で
こうして再び城に居ることが出来ている。
しかし、
竜の方々と共に生きていけるように魔性としての力を吹き込んでいた。
そして、竜のお子様たちと
もちろん、選択肢は自分たちにあると、断ってもいいと言ってくださった。
しかし、
当然、
しかし、オレは?
オレは引退して帰っていた
オレは
なのに、
もちろん、オレにも断る理由はなかった。
もともと、
他の竜の方々のために
オレの役目だと思っているし、希望通り
だが、
歳の頃は十五、六歳ぐらいか
(竜の年齢は当てにならないと聞いたことがあるが)。
姉の
太陽の光のような
絶対、
黙っていれば最高なんだが、性格は
オレは毎日バッサリと切り捨てられていた。
オレは
竜にとって
実際、それぞれの前に
その竜と
竜にとってその相手は誰でもいいいという訳ではなかった。
自分の
それこそ
では、
前線では切り込み隊長をする根っからの戦士だった。
人間でありながら、竜を守った勇敢な戦士だった。
見た目は
性格も豪快で、
その見た目から女性にモテて本人もそれを自覚していた。
いわゆる、
モテるから特定の女性はおらず、
他の男たちからやっかまれていたが、その性格から
同性からも
この私が選んだ男なのに、あの男は私のことを分かっていなかった。
それが
待っていたのだ。
それをあの男は忘れていたのだ。
しかし、
それも
そして、事件は起きた。
別室で待機していた
品々で持て成したりしたのだ。
もちろん、
用事を
その光景を見て思わず
全身に電気が走り、心臓が止まるかと思ったほどだ。
ただの人間だったら死んでいた。
しばらく、ビリビリとした感覚が残っていた。
城に戻ったあと、
「
自分のしたことを分かっているの⁉」
「
仕事中に女とイチャイチャしているから!」
「向こうが勝手に持て成してくれただけで、
「
オレが以後、気を付ければいいことなので。
それより、オレは何か
最初から嫌われてるような気がして…」
その言葉に
「
何度も言っているでしょ?
二、三歳の
まして
「記憶を
成り行きを見守っていた
「お前が
その時に
その時、お前は
一人でいた
俺はお前の成長に影響が出ないように、その時の記憶を
でも、お前たちはちゃんとここに戻ってきた」
『昔、
「
「
一緒に連れて行けと無言で言っているのだ。
「母さまには
城からずっと北の方角、とある町の
少し先に小さな森があり、集落が点在していた。
そのうちの一つの家の前、スーと扉が開くと小さな三人の子供たちが出てきた。
「誰?」
「俺の大切な子。元気にしているか様子を見に来たんだ」
小さな池があり、その
振り返るとさっきの男の子の一人が立っていた。
小さな子供なのに、はっきりと意志のある瞳で
両手を広げて立っている。
「何?お前、何しているの?私を守っているつもり?」
思わず男の子の
すると男の子は後ろに尻もちをついてしまった。
「あ、ごめん。でも守ってくれるんだ。ありがと」
「
「
「ねえ、
いきなり
「
「いつになったら
「
もう少し大きくなって
その時まで、もう少し、お待ち」
キレイだと素直に思った。
この
初めて感じた感覚だった。
あれから十五年以上の
「オレは
「お前が守ると言ったんだ!
両手を広げて私を守ると。
だから待っていたのに!
お前は自分の言ったことも忘れて、
私に会ったことも知らないと言う。
何もなかったことにするな‼」
「
覚えている方がおかしいでしょ。
無茶を言うものではない」
「もう
「
俺が
こんなに感情を
言い寄ってくる女たちは多々いたが、
自分を欲しがって泣きじゃくる女はいなかった。
まして、それが竜の子の
そして、
紅玉はゾクゾクとした感覚に
そして、この
自分のものにしたいと
今まで何かをこんなにも欲しいと思ったことなどなかった。
この竜のためなら
この竜の望みはすべて
翌朝、
これには
後ろ向きな発想は持っていなかった。
その
だから逃げ込みたくなったのだと。
娘の成長に
そして、
左腕の服を引っ張られて目を開けると、
そこに
「
服を
その表情は分からなかった。
だが、
「はい、
以来、
もともと、相手に合わせて言動を変えるタイプではないから
自分は自分のやり方がある。
それで
バッサリと切り捨てたが、
だから自分の思ったことを素直に言葉や態度に出す
だが、実践の武術となると
「実践はイヤー!しんどい。当たったら痛いし、絶対イヤ‼」
と
これには
なのに、実践が出来ないなんて有り得なかった。
最低限、剣術ぐらいは習得して欲しかった。
だが、どうやっても
「
もし
「大丈夫よ。ずっと見ていたから。
練習なんかしなくても。
いざとなったら出来るわよ」
ある日、
「絶対ヤダー!ヤダ、ヤダ!
前線にも行きたくない!
ヤダったらヤダ‼」
小さな
小さな女の子に
さすがの
「いい
いいですか!あなたは
その強く出ている
その力を持つあなたが
泣きべそをかきながら
そして、「
勝ち抜き戦をしていた隊員に向かって走り出した。
隊員が地面に
突然のことで周囲はざわついた。
だが、腕に覚えがある隊員が次々と
しかし、みな
その重さを
動体視力もいい。
相手の動きの先を読んで動いているのが分かる。
「強い。何なんだ、この
まるで
いつの間にこんな剣術を身に着けた?
そう言えば見ていたから出来ると言っていた。
見ていてその動きを再現出来ているのか?
この力、
ガキーンと鈍い音がして隊員の剣が
もう、
「これでいいんでしょ!」
「
「だって、だって、
私は
もう
「何をおっしゃっているのですか?」
「見たの、
時々、痛そうに左目を
引退してたのに、魔性に襲われて、
人間の村だったのに、人間しかいなかったのに。
勝てるわけないじゃない。
体中、傷つけられて、左目を
死んでからも目を開けたまま
苦しそうだった。悔しそうだった。
みんな、みんな、大切なものを
私は
そこに、いつの間にか
「そう、見たのか。それは
すまない。そうだな、俺たちは強い。
人間に守ってもらう必要などない。
だが、俺たちは
生きようともがいて、
その
俺はその弱いものたちを守るために
そして、この大陸の
「
強い力をお持ちなのに、人間の私たちと同じ位置に立ち、
共に前に進んでくださった。
だからこそ、私たちは
そして今、こうして同じ時間を共に過ごすことを許してくださっている」
そして、
「
「…ああ。この大陸のために作られたがな。
この
俺は今、幸せだよ。
何が一番大切なのか、自分が何をすべきなのか。
だから、
そして、
「…
私も生まれてきて良かったと思っている。
母さまと父さまの子供で良かった。
兄さまや姉さまのことも好き。
その姿が少女から大人の女性に
すらりとした
髪はつややかに伸び、美しい姫がそこにいた。
成長すればすごい美人になると確信していたが、
実際、
「
私をおいて死んだら許さないから!」
「
でも、
この
「もちろんだ。
それに引き続き教育係も頼むよ。
なあ、
まだ、お前にはやらないからな」
どういう意味だ?あの
一人残された
fin
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