抑うつ状態と診断された話
宵薙
第一話 「まさか自分が」
皆さんは、抑うつ状態と聞いてどのような感じを想像するでしょうか。
うつというと、「何もしたくない」「無気力」「ベッドから起き上がれない」といったことを想像すると思います。
しかし、私の場合は違いました。
謎の発熱。それが、一番最初の症状でした。
仕事で失敗を重ねてしまい、仕事を早退。微妙に熱感があったため体温を測ると37.5℃。発熱だけだと、風邪かなぁ。インフルかなぁ。コロナかなぁ。と思い。
日曜日に地域の病院は軒並み閉まっているため、バタバタ総合病院を受診。しかし異常なし。血液検査も正常。白血球がちょっと高いかな?ということで抗生剤を処方されました。なるほど体調不良の原因はそれか!と思い、その日は大人しく帰宅。
点滴も受けたし、抗生剤も処方してもらったし。
とりあえず飲んで寝ておくか。と、その日は床につきました。
翌日月曜日、微熱はまだ治らず。仕事は明日も休まないとかなぁと思いながら。
食欲はあまりなかったものの、「とりあえずご飯は食べねば」ともそもそと食べていました。しかし、翌々日火曜日も微熱は治らず。
薬の副作用か、下痢は酷く一時間に三度はトイレにいく始末。
何よりも苦しいのが不眠。全く眠れず、目はガンギマリの状態でした。
睡魔すら襲ってこないため、睡眠時間は一時間あるかないか。
そんな状態で出勤などできるはずもない…
水曜日は大事な大事な会議があったのですが、それも泣く泣く休みました。
申し訳ないな、と思いながら布団をひっかぶりました。
水曜日に少し眠れ、木曜日は熱も下がったので揚々と出勤。仕事に行くと自分の体調は忘れることができたので、いっそ心地よくすらありました。
しかし、そこで無理をしたのか。
木曜夜に脚部がマグマのようにだくだくと熱くなるという今までに経験のない症状が出ました。全身が悲鳴を上げているようで、汗が常に噴き出してくる。
またも不眠で、眠れない。
金曜日に再び内科で血液検査と尿検査、コロナインフルの検査をするも異常なし。熱は微熱が出続ける。コンビニまで歩いて行くのもつらく、買い物すら困難で。
勿論車の運転などできるはずもなく。
動悸がする。鏡を見ると、あれ?痩せてる…
全く食べていないつもりはなかったのに、肋骨が浮き出ている。
これは、不味い。後々分かったことですが、1ヶ月前に受けた健康診断から3キロ落ちてました。そもそも低体重の筆者。
3キロも落ちれば息切れやめまい、動悸がひどくなるのも当たり前なわけで。
土曜日、相変わらず一睡もできず。
脈が速い。胸が締め付けられるような痛みがする。
命の危機を感じ救急車を呼びました。死ぬかもしれない、どうしよう、苦しいといったパニック発作が渦を巻き、襲いかかってきました。
心不全になる夢も見ました。脈がゼロになって死ぬ夢まで見ました。
ああ、自分は一人で死ぬのかな。
目を閉じて、全身が管だらけになるところまで想像しました。
こんなに苦しいなら死んでしまった方が楽なんじゃないか、とまで思いました。
しかし、異常はなし。CTも血液検査も正常。
医者からも、「ここは命の危機がある人が来る場所です」と言われ、回らない頭でなんとかタクシーを呼び、帰宅。一週間、内科・眼科・消化器科などの病院に行き続けた私は健康保険からお叱りを受けなければならないのでしょうが、当時はそんなことも言ってられず。
親に助けを求め、対面したときには、「うちの子じゃないかと思った」とまで言われる始末。
一週間眠れておらず、思考も回っていなかった私はあれよあれよという間に精神科を受診することになったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます