イリア

 雪に閉ざされた冬の城。1人きりで父母を待つ幼い姫。

 あるいは、

 焦がれた義兄を人形にして閉じ込める狂気の少女。

 ピンときた方はいるだろうか。

 オタクの私が、そんなキャラクターを重ねた多肉があった。

 きっかけは勘違いだった。


 エケベリア 「イリア」


 白みがかった薄い緑色。小さくまとまった姿が愛らしい。

 名前を聞き間違えたまま、友人から分けてもらったエケベリアだった。


 ちょっと(割と結構)昔「イリヤたんぺろぺろ」というミームがあったのだ。

 私もイリヤたんをはむはむしたい人間だった。

 イリヤたんについてここで詳細を語るのは避けるが、ゲームのバッドエンドが最高なのでオススメしたい。


 キャラクターの名前を間違うのはオタクとしては失格だが、タニラーとしては優勝という事でお茶を濁させて欲しい。



 さてこの「イリア」、貰ってきた当初は青白く儚げな姿だったが、ある日突然、あちこちから子を吹き始めた。


 色白美少女は見かけに反して生命力に溢れていたのだ。魔法少女になったのかもしれない。


 調べてみると元々沢山増える品種らしい。友人が喜んで分けてくれたのはそのせいだったのか。


 別名は「クリスタル」というらしい。

 言われてみると確かに、クリスタルの結晶が成長する様子に見えてくる。


 植物の名付けは「見立て」の世界なので、名前をつけた人にはそう見えたのだろう。



 ちなみにこのイリアたん、ググって出てくる写真の姿とうちにいる姿がかなり違う。


 これは、夏顔と冬顔と呼ばれる違いである。


 多くのエケベリアは夏になると葉っぱが薄く大きくなる。

 反対に、乾燥や寒さなどのストレスがかかると葉っぱは短く厚く、紅葉してくる。


 私は元気な様子が好きなので、生命力を感じる夏顔多肉は嫌いではない。


 しかし、イリアは冬顔が非常に可愛いので、興味のある方は是非! 実際に育てて冬顔を見て頂きたい。


 ホームセンターで約300円である。

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