レイトニー

 この覚書のタイトルである、「趣味と実益の園芸」。

 趣味は説明しなくともご納得頂けるだろうが、実益とはどういう事か。


ハオルチア 「レイトニー」


 私の十数年の多肉道を共に歩んでくれた、かけがえのない相棒でもある。

 

 多肉一年目。

 月兎耳の成長に気を良くした私は次なる多肉を求めていた。

 (その月兎耳の顛末は既に語った所であるが、まだその頃は元気だった。)

 そこで出会ったのがこのレイトニーだ。

 ご存知だろうか。ツンツンぱつぱつとした葉の上半分ほどが、すりガラスのように透き通って輝いているのだ。

 まだ10代だった私は光り物に目が無かった。


 こうして連れ帰ったレイトニーにすっかりハマり、少ない小遣いをはたいて次々とその仲間であるハオルチア属を「お迎え」した。


 このハオルチアの仲間たちこそ、趣味の世界を実益に貶めてしまった、実に罪深い緑の宝石である。


 まぁ要するに、彼らと共に大人になった私は、増えた子株たちをフリマサイトで売ったのである。

 ハオルチアバブルに乗って、割と良い小遣い稼ぎになった。

 良識あるタニラー諸君には眉を顰められるだろうが……。

 (もちろんパテント品種には手を出していない。)

 

 切実な現実。私には金が必要だった。

 病持ちの夫と幼い娘を抱え、傾き続ける天秤を力尽くでも浮き上がらせるだけの金が…!

(この段落はオリジナルではありませぇーん!)


 なんだっけ……。そうだレイトニーの話だ!

 初めて買ったレイトニーは小さくなったり赤くなったりしながら、まだ私と共に暮らしている。

 罰当たりな私だが、まだ見限らずに頑張ってくれている。

 有り難い相棒である。

 

 

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