第8話 第八章「炎の門と忘却の民」

虚界の王の残滓が風の世界に侵食を始めたことで、悠真とリリスは他の門の封印も危機に瀕していることを知る。次に向かうのは、炎の世界イグナス。そこは灼熱の大地と空を舞う火竜が支配する、戦の民の世界だった。

二人が門を通ると、炎の嵐に包まれた荒野に降り立つ。そこでは「忘却の民」と呼ばれる者たちが暮らしていた。彼らはかつて虚界の王に魂を焼かれ、記憶を持たぬまま生きる者たち。

その中に、一人の少女がいた。名はミラ。彼女は悠真に不思議な親近感を抱き、こう語る。

「あなたの中にある光…それは、かつて私たちが失った“炎の記憶”に似ている」

リリスは気づく。ミラは、虚界の王に抗った“炎の守護者”の末裔だった。

悠真はミラと共に、炎の神殿へ向かう。そこには、かつて虚界の王と戦った者たちの記録が刻まれていた。そして、炎の門の封印が、今まさに崩れようとしていた。

虚界の王の残滓が神殿を襲う。炎の精霊たちが次々と飲み込まれていく中、悠真は再び審判の力を呼び起こす。

「俺は、記憶を繋ぐ者。忘れられた魂も、消えた歴史も、俺が繋ぎ直す!」

炎の門が輝き、ミラの記憶が戻る。彼女はかつて、悠真の前世と共に戦った仲間だった。

「ようやく…また会えたね、悠真」

炎の門は浄化され、虚界の王の残滓は退けられる。

だが、残る門はあと五つ。虚界の王の本体は、すでに“中心界”へと向かっていた。

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