夏 Ⅰ

縁滑る指の長さよ金魚玉



夏深く電灯の下影ふたつ



窓ぎはの傷が意味を成す晩夏



夏の蝶大海の上泳ぎゆく



坂の上導かれてゆく夏の蝶



夏の蝶ひやりと飛んで廻りゆく



払暁や晩夏を掬う風ひとつ


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