泣きながら書いたシーン


ざっくりしたプロットとはいえ、中盤のクライマックス――祷雨とううのシーンは、私自身も覚悟を決めて書きました。


あそこは、読者さんに“感情のジェットコースター”を体感してもらうために、龍との穏やかな交流を丁寧に描いてから、あの展開へ突き落とす構成にしています。


当然、読者さんへのダメージは大きかったようです。

実際、展開を知りながら書いた私自身も、あの場面は書きながら泣きました。


それでも書かねばならなかった。

あの残酷さには、物語としての意味があったからです。


それまでの穏やかで幻想的な空気から一転し、祷雨のシーンで世界が反転する。

その落差に耐えられず、離れていった読者さんも少なくありません。

実際、ブックマークはそのとき一割ほど減りました。

★の数も減りました…


でも、それを乗り越えて最後まで読み続けてくださった方々には、心から感謝しています。


その後は一気に政治色が強まり、国防だの兵器だのという、およそWeb小説では見慣れない単語が並ぶ展開になりました。

更新のたびに、「今回は読者さんが離れてしまうのでは」とヒヤヒヤしていました。


それでも、あとがきにも書いたように、最後まで読みきってくださった方には本当に感謝しかありません。


現時点で『とうみこ』のPVは約4700。

けれどハートは2300近くあり、読んでくださった方々の満足度はとても高いようです。


読み手を選ぶ作品ではあるけれど、刺さる人には深く刺さっている。

コメントやレビューも多くいただき、読者さんの心に何かが残ったのだと感じています。


そう思うと、あの祷雨を描いて本当によかったな、と今では思えるのです。


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