銀のロザリオは星々の様に輝く

霜花 桔梗

第1話 目覚め

 この世界は銀色で満ちている。銀色の星々の輝きはロザリオの色に例えよう。


 和樹は銀色の星々が輝く夜に目覚めた。そう、和樹は病院のベッド上で八年の間眠っていた。


 それは『極凍結状態』なる症状で眠っていたのだ。それから、数週間後、和樹は高校に転入する事になった。


 二十三歳で高校生だ、この聖臨海白浜高校は『極凍結状態』の患者を多く受け入れている。


 ミッション系か……。


 少し戸惑うがこの春からの新たな世界の始まりだ。


 和樹は教室に入ると副担任のシスター中野に紹介される。


 その後、自席に着くと。


「新学期、早々に転校生?」


 綺麗な女子が声をかけてくる、彼女は『天美』と名乗った。これが天美との出会いであった。それは、新しい生活の始まりを感じていた。


 うん?天美の制服の上には銀のロザリオが輝いていた。


「あ、これ、この学園に来たらこの『銀のロザリオ』を着けるのよ。二万円で買いなさい」

「はぁ?信仰の自由は無いの?」


 強引な天美に呆れていると。


「えへへへへ、君とお揃いが良いの」


 この天美には悪意は無いらしいが二万円は高い。


 少し胸の辺りがチクチクする。和樹は恋の始まりの様な気分になった。

 それは天美の可憐さに心が動くのであった。


 うん?今度は可愛い小学生ほどの女子近づいてくる。


「うふふ、君も『極凍結状態』を経験したの?」

「あぁ、八年間、今は二十三歳だ」 

「あら、残念、私は十歳の時から七年間だから、未成年よ」


 彼女は渚沙と言う名前らしい。あああ、ませた女子だ、この手のタイプは苦手だ。


 しかし、天美もきっと『極凍結状態』を経験しているはず。


 彼女は何歳で何年眠っていたのであろう……。

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