信者を探すエッセイ ―もしも私に翼があったらブラジルまで行って現地住民に布教するってのに ―
すけろくこぞう
終わりの始まり
水-信者を探すエッセイ、ラガルとニンフとわたし-
すけろく小僧と申します。普段はお絵描きをしています。エッセイ書きました。目的はただ一つ“信者”を探すためです。
私はただ作品を共に愛してくれるファンでも家族でも友人でもないただ1人の信者が欲しいです。欲張りさんです。
さてなんの話をしましょうか。フリースタイルエッセイでもしましょうか。※フリースタイルエッセイとはフリーラップのように自由に書き進めていくエッセイのことである__すけろく小僧『マメ豆知識』より
水って不思議ですよね。透明で澄んでて見えるのに見えなくて、触れられるのに掴めない。形のある空気と私は呼んでいます。
古来より水辺は男女の出会いの場所でした。神話的に言うとね。アイルランド神話ではダグザ(最高神)はモリガンと川で出会い巨人族との戦いの勝利を約束されますし、日本神話の彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)は釣りをしてるときに豊玉姫と出会います。他にも大体神話の男女って水辺で出会ってそのままやり合うかまぐわうか凹凸するでしょ。
例に挙げた二例もやってます。
シュメール・アッカドの神話に出てくる地底の淡水の海、生命を産む水アプス、しかりユミルの血(生命の源とも言えるよね血って)より産まれし海や川、水っていうのは神秘の場所なんです。
これをめっちゃわかりやすい例で教えてくれる本があったのですが忘却しました。
同時に水といえば恐ろしい場所です。ユミルが死んだ際その血の大洪水でベルゲルミルとその妻以外はお亡くなりになりましたし、嵐の海を行くときは網を持ったラーンに黄金を捧げなければならないのです。(←フェロー諸島の神話)
黄金持ってるからオメーらの船は沈むんだろ、つか嵐の日に出んなよ。なんて思っちゃいけません。
おもてぇ黄金捨てろっていう昔の戒めでしょうか?
他にも水辺と言えばセイレーン、スラヴ神話のルサールカ。水に誘う邪悪なニンフたち。私もここら辺あんまり詳しくないんだけどね。美女と水ってのはセットってお決まりがありますよね。
というか美女に限らず女と水の組み合わせはとても多い。水妖怪にも結構いるでしょう。濡女、船幽霊、川姫、川天狗、金魚の幽霊(これ含んでいいんか?)、タコ女房、ハマグリ姫。私は水妖怪に詳しくないのでパッと出たのがこれだけですが知ってる人はもっと知ってるはず。
名前を確認するためにpixiv百科見てたらラガル(ト)が水妖怪にカウントされてました。あのマイナーを水妖怪にカウントしていいのかどうか。ちなみに私の小説↓
「銀の大地-神なき大地で祈る僕ら-」
https://kakuyomu.jp/works/822139837051407702
主人公の1人、魔獣狩りの寡黙な青年ラガルはここから名前を取ってます。嘘です。完璧に語感でつけた後に後付けでラガルから取ったことにしました。
ラガルトというのはポルトガル語でトカゲを意味します。当時ラガルについて記された書物の挿絵を見るとまんまトカゲです。これ妖怪っちゅうよりまんま爬虫類やん、なんて言ってはいけないのです。長崎見聞録に関してはその記述、トカゲだねって感じです。
でも華夷通商考いわくガチ怪物らしいので(笑)
ぬくぬくお布団でスマホ弄ってる現代人が冷笑できたことではありませんね。
さてラガルの話はここまでにしましょう。
あなたは水辺での出会い、何がありましたか?
私は黒スズメバチに全力で追いかけられた記憶しかありません。女との出会いなどなく、虫との出会いだけがありました。
もしかしたら、もう少し待てばその蜂が絶世の美女になったかもしれませんが。
いや、書いてて気づきました。働きバチは全員メスです。
虫の美はわかりませんが、見る人が見れば黒と白のコントラストはカッコよくて。スズメバチのあのイカついフォルムはセクシーだったかもしれません。
ということは私も水辺でニンフとの出会いを果たしていたというわけです。
ごめんなさい、あなたたち。
私は一足先を行くわ。
卵生と胎生。どこまでわかり合えるか不明ですが頑張ってみます。
それではアデュー。
この文章を読んでクスッとしたあなた、すでに私の信者です。ありがとう、ありがとう。
(人々に手を振るすけろく小僧)
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