第42話
2機目のグレーターデモンとの戦闘から明けて次の日、アタシたち乙森ソウ含め討魔剣士6人は中央の施設で待機していた。
……まるで歯が立たなかったとは言わない、がこちらは三人がかりで有効打を与えられずに取り逃してしまった。
そして、リベンジの機会は思ったよりも早くやってくる。
「まったく、単騎で突っ込むとは相変わらず無茶を……皆!準備はできてるかい!」
「「「「「はい!」」」」」
カタコと一緒にいるオウカくんが、政府ですら追えていなかった敵の居場所の情報を持ってきた。
出処が友達の妖怪だとかいうのが少し気になるが……
既にカタコはオウカくんと共に情報の場所へ先駆けている、アタシたちも長官の号令とともに出撃することになった。
「さて、向こうはどう出てくるか…気付かれずに包囲できればありがたいがね」
「今までのことを考えると、ワタクシ達の行動は後手に回ってましたから……今回こそは先手を打ちたいですわ!」
「そーだぜ、そのためにわざわざオレとミコトまで出張ってきてるんだからな」
普段はこういう場で出撃しないタクミとミコトも車に乗っていた、長官直々に出向いているためそこの警護も兼ねているのだろうが……
正直心強い、タクミの討魔剣士としての実力は知らないがミコトに関してはカタコを除けば間違いなく討魔剣士として最強の実力者だからだ
(アタシより明確に強いっていうのは、ちょっと悔しいけどな。)
……とはいえ、ミコトでもあのグレーターデモンに攻撃が通じるかは不明だ。
魔鉄、あの装甲に物理的攻撃を通すのは不可能に近い。
あのカタコでさえも、最初はグレーターデモンの装甲に多少傷をつけるのが精一杯だったと聞いた
……まぁ、魔鉄で出来ていない部分がカタコの力に耐えきれなくてそのままブッ壊されたらしいんだけどな。
「カタコばっかにいいカッコさせらんないよ〜、今度こそあーしらで手柄を上げちゃうからね〜!」
「こちらもグレーターデモンとの交戦データは分析済み……それにこの戦力、戦いで遅れは取らないわよぉ」
皆の士気は高い、今回こそはあのグレーターデモンに……勝つ!
「……!長官!進路前方に魔鬼反応、多数!それにこちらに高速で飛来する物体も感知、グレーターデモンだ!」
「むっ……まずは数が多いこちらを足止めに来たのか?不意打ちとはいかないようだね」
タクミが敵の反応をキャッチしたらしい、どうやらお出ましのようだ。
「ワタクシ達の動向は確実に相手に漏れていますわね……でも、関係ないですわ!皆さんいきますわよっ!」
「…ハ!上等だ、今度こそアタシらで完全にブッ潰す!」
………
……
…
僕らは、ユウキちゃんを助けるためにまゆっちからもらった情報を基に目的地に向かっていた。
目的地は、山奥。そこに
「カタコちゃん、あとどれくらい!?」
「山までは十分くらいです!あとはユキちゃんの痕跡を見つけて追えれば…!」
「わかりました!長官さん達にも連絡します!」
長官さんは討魔剣士の皆さんを連れて向かってくるとのことだが、カタコちゃんのように道を無視して一直線には来れないため足並みはどうしても揃わない
カタコちゃん(と運ばれている僕)はだいぶ先行しているから、なるべく状況はこまめに報告しておいた方が良いだろう。
『オウカ君か!もう目的地かね!?』
「あと10分くらいってカタコちゃんが!そっちは、なんか騒がしいですね?」
長官さんに繋げた電話の奥では、激しい轟音が絶え間なく響いていた……これは何かと戦っているのか?
『こっちは今、大量の魔鬼とグレーターデモンが現れて足止めを食らっていてね……!』
「グレーターデモンがそっちに!?」
『あぁ、いま皆で対処に当たっている!すまないが我々はこちらを片付けるのに時間が掛かりそうだ!先にそちらは早苗ユウキ君の元へ向かいたまえ!』
「わかりました!そちらも気を付けてくださいね!……カタコちゃん!」
「聞こえてましたセンパイ!好都合です、あっちに戦力が行ってるなら私達はもう気にせず最速で突っ込んじゃいましょう!」
「了解!」
向こう側にはグレーターデモン含め、足止めの戦力が行ったらしい……それは既にこちらの動きが相手にも分かっているってことか
ならなんでこちらにはそういった足止めが来ないんだ?
カタコちゃん相手には、生半可な戦力じゃ足止めにはならないとは思うけど……相手はそれを理解している?
(ってことは、相手はアジトでカタコちゃんに対抗する何かで待ち構えてるかもしれないってことか)
たしか相手の手元にあるグレーターデモンは3機で、1機目は破壊……2機目は長官さん側に行ってる。
3機目が待ち構えているのか?……グレーターデモンだけが、カタコちゃんに対抗する戦力とするには心許ない気がする。
何か、相手にはカタコちゃんに対抗出来うる未知の何かがあると……僕の勘が言っている。
でも……そうすると一体、何が待ち構えているのだろうか?
「……カタコちゃん、気をつけていきましょうね!なんだか妙な予感が感じますよ、ビンビンとっ!」
「やめてくださいっ、センパイのそういう勘ってばかにならないんですからっ」
「大丈夫ですよ、何かあったらその時は……僕が出ますっ!」
「いや私がセンパイ守るんですよっ!?何があっても身を挺して……とかやめてくださいよ!?フリじゃないですからねっ」
「……今回ばかりは僕も真剣なんです、カタコちゃんの邪魔は絶対にしませんよ」
「じっ……(懐疑の目)」
「な、なんだねその目はっ!こらカタコちゃん良くないぞっ!」
「……何よりもセンパイの安全を優先、これは絶対に譲りませんからね」
「う、うん……僕の絶対安全の上でユウキちゃんを救おうじゃないか……」
結局のところ、僕がどんなに頭を悩ませても実際に行動するのはカタコちゃんだ。
何より、僕よりも圧倒的に物事を見ていて頭も良い。
全てカタコちゃんに任せておくのが、一番良い判断なんだろう
僕にも何ができることがあれば良いが……僕にできることはカタコちゃんの邪魔にならないように何もしないことだけか。
贅沢を言うな、僕。
この場に連れてきてもらえてるだけ……恵まれているのだから。
「センパイ、山に入りますよ!」
「っ……了解です!ユウキちゃんの足取りを探そう!」
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