2-18話 爆破事件の裏側②
「刑事として私は、次の爆破事件の標的となる場所を探そうと色々調べていてね。
確かに
その事に
「だけどその事を上層部に進言しても、『だから何だ?』と跳ね除けられてしまったよ」
どうやら捜査本部では、
だが、その事がどうしても気になった
「学校を尋ねた私は、そこで
眼鏡をかけて痩せぎすの、アラフォーヒステリー女教師である。
「まず人がいるところを探し、
どうやら
ラノベ部の部室に向かって学校の廊下を駆け抜ける
その姿を見かけた
『こら、あなた達! どうしてまだこんなところにいるの!』
――と二人に声を掛けたそうだが……。
「それを無視してキミは走り去っただろう? その事に怒った
そうして
|照明がついた部屋の中から騒ぎ声と――
『キミたち何をやってるの! あれだけ言ったのにどうしてまだ帰ってないの!』
――という
だから
『おい、いったい何があったんんだ!?』
――と声を掛け、開いていた扉から部屋の中を覗き……。
「――私が覚えているのはそこまでだな。おそらく次の瞬間には、爆破に巻き込まれて死んでしまったのだろう」
これが
どうやら
「それから――気づくと真っ白い空間にいた。そこで変な少女と出会い、死んだと言われ、あっという間にこの世界に送られていた。この流れは
一気にそこまで話した
「あとは……体が若返ったのは、私にも理由は分からない。もしかしたら久々に高校というものにやって来て、気持ちが少し若返っていたからかもしれないな」
「まぁ異世界転移で若返るのは、定番というかお約束ですからね。だけどそうか、
(じゃああの場には
そう
「これで私の事は全て話した。――次は
今度は
「キミがあの高校の生徒なのは、キミが着ていた制服で分かる。だが君はどうやってあの爆発に巻き込まれたんだ? あのときキミのような生徒は、傍にはいなかったと思うが……?」
「……私は死んだとき、ラノベ部の隣にあるアニメ部の部室にいたわ」
「あの日、生徒会に『アニメ部が文化祭に卑猥な展示をしようとしている』というタレコミがあったの。だから生徒会長として、アニメ部の部室に視察に行ったのよ」
そして
水着や下着しか身に着けていない、あられもない姿のアニメキャラが描かれたポスターが壁一面に貼られ――。
局部しか隠れていないコスチュームを身にまとった、肌色多めなアニメキャラの人形が所狭しと展示され――。
黒板に貼られたスクリーンには、なぜか服がビリビリに破れる、魔法少女の変身シーンが繰り返し再生され――。
――部室の中は卑猥で下劣な空間と化していたらしい。
生徒会長からの要求に、殆どのアニメ部の部員たちは『仕方ない』と受け入れたのだが……。
部員の中で一人、アニメ部副部長だけが頑なに要求を拒否し続けたそうだ。
『ここに展示されているのは全てR15以下の作品でござる! レイティングに抵触していない以上、撤去させられる謂れはないでござるよ!』
そう言い張って譲らないアニメ部副部長に、
『レイティングじゃなくて品性の問題かしら。こんなものを神聖な学校行事に持ち込むのは許されざるべき暴挙よ』
そんなお互いの意見をぶつけ合うだけの、妥協点の見えない議論は、平行線のまま何時間にも及んだという。
そして――。
「他の部員が帰る中、アニメ部副部長の彼と私だけが部室に残り不毛な論争を続けていたわ。そして夜になっも論争は続き――不意に轟音が聞こえたと思ったら、気付けばあの白い空間にいたわ。アニメ部の部室はラノベ部の隣だったから、おそらくラノベ部の爆破事件があった時に、隣にいた私も巻き込まれたんじゃないかしら」
――以上が、
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