13:堕ちた太陽

「その、……あまり気にしないでくれ。ドラストリアは美学の戦闘を重んじる。俺を見ていたら分かるだろう。君たちの、命を賭し何がなんでも勝たねばならぬ戦場を、俺たちは知らない。故に、蛮族と見下す文化があるのだ」

 

 言葉を選びながら、ローランはたどたどしく伝える。エスはついにその形すら崩壊させた魔物だったものを見ている。

 

「まあ、お互い様じゃないすか。戦闘に礼節なんてあたしもノルマンさんも知らないすわ。それを蛮族って言われてもしゃーないし、逆にそっちの戦闘をスポーツかおままごとだなぁって思うのもしゃーないじゃないすか」

 

 ローランには言わなかったけど実際ノルマンさんとそんな話しましたし、とエスは笑って言ってから、ローランを見る。

 

「でも、怒ってくれて嬉しかったすよ。キリさんも『私は宇宙だ』で煽るの、聞いてて最高に気持ちよかったすわ」

「煽りではなく事実です。土俵が異なることをお伝えしなければなりませんでした。ドラストリアの名乗り文化は同等の者としか発生しないと伺っておりましたので」

 

 キリの言葉を聞いて笑っていたエスの頭がグラグラと揺れる。倒れそうになったのを、ローランが慌てて受け止めた。

 

「大丈夫か!?」

「この戦闘の前、あの黒い陰に貰ったダメージがまあまあ身体に来たっすね。死にはしないので安心してください」

「そういえば、カインとノルマンは……」

 

 迎えに行くべきだろうかと思ったが、それより先に足音が二つ、お互いを庇うような不規則な音で近づいてくる。

 やがて扉が開き、ボロボロの二人が顔を覗かせる。その様子を見て、安堵と心配が交互に来た。感情が忙しいってこういうことを言うんだな、と思った。

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