第5話

出社して、チームのみんなに、案件がつぶれたことを報告。


その足で、結婚式に突入。


幸せそうなふたりだった。友達枠なので、ブーケトスだの友人からのスピーチだの。


二日酔いの薬が効いたのか、普通にこなせた。


あ。金忘れた。結婚した二人に送るやつ。3万だっけか。だるい出費。引出物は貰わないのに、金だけはむしりとられる。


「はい。これを」


今朝のやつ。封筒。


「ありがとう」


もらって、そのまま提出。


「誰だよだからおまえ」


「あなたの願いを、叶えに来ました。さぁ、行きましょう」


じゃあ、結婚式から逃げ出す術を教えてくれよ。この、くそみたいな状況から逃げる方法を。


「逃げる、っていうか。あなたそんなに恋人に興味なかったですよね?」


いたいところを衝かれた。それはそう。

周りがばかみたいにカップルつくって遊んでるときに、しかたなく付き合ってただけ。手も握っていない。


「じゃあいいじゃないですか」

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