第8話 街に来てから3ヶ月 初めての森林に向かう

 街に来た僕は、初日から商業区画を探索をした。

 日に日に変化する商業区画を探索するのが最近の楽しみだ。


 そしてここ最近は、1週間に3日程働き、最低限3日に一度は狩人ギルドの男性用井戸で身体を拭き頭を洗い、1週間に一度は狩人ギルドの宿に泊まり睡眠をとり、1ヶ月に一度は飲み食いをすると言う生活を送っていた。


 街に来てから3ヶ月がたった、もう11月だ。

 3ヶ月過ごす間によく話す知り合いができた。

 濃い茶色の体毛を持つ、身長2.5メートル程の熊獣人族の男性、2級狩人ヌース・ウルススさん、灰褐色の体毛を持つ、身長1メートル弱の栗鼠獣人族の男性、狩人ギルド受付職員アンデリア・スキウルスさんだ。


 朝、狩人ギルドに併設された宿の硬いベッドで起きた僕は、男性用井戸で顔を洗ったあと宿からギルドの受付に向かう。


「おはようございますアンデリアさん、宿の鍵を返却しに来ました」

「おはようございますオルカさん、鍵の返却ありがとうございました」


 狩人ギルドの受付職員アンデリア・スキウルスさんは僕が最近よく話すようになった、栗鼠獣人族に属しているスキウルス影の尾獣人族の男性だ。

“スキウルス”という単語はスキウルス獣人族の自分の尾で影を作り日よけにする習性から来ている。


「お、来たかじゃあ朝飯食って、装備着て訓練場で軽く身体動かしたら行くか」

「はい、ヌースさん、今日はよろしくお願いします」

「おう、任せとけ」


 2級狩人ヌース・ウルススさんは僕が最近よく話すようになった、熊獣人族に属しているウルスス獣人族の男性だ。

“ウルスス”という単語が何処からか来たのかは分かっていない。


 そして今日、僕、オルカは街中の害獣退治にも慣れてきたので初めて森林に行くことになったのだ。

 今、僕が受けている依頼は最低限生活は出来るが、高い物を買えるほどのお金は稼げない。

 働く日数は増やしたくなかった、僕は怠け者なのだ。

 怖いし緊張するが、物欲が勝った。

 それで、森林に行く時の注意点を先輩狩人のヌースさんに聞きに行くと、ヌースさんが“初めて森林に入る時に1人は危険だから俺もついていく”と言ったのだ。

 先輩狩人がついてきてくれるのはありがたいので僕も了承した。


 ヌースさんは今日、常備依頼の薬用植物採取をするようだ。

 常備依頼は依頼物を用意した後に受けることができ、薬用植物が採取できなかった場合は依頼を受けなければいいためペナルティの心配がない。

 因みに僕は何の依頼も受けていない。


 僕とヌースさんは朝食を食べ、装備を着る。

 僕は転生時の装備に、背中に新しく買った腰袋を追加した装備だ。


(この腰袋高かったな、小銀貨1枚もした)


 ヌースさんは、長袖の革服、革製の長ズボン、革靴、を着て、その上に籠手や肩当、脛当を着けて、背中に腰袋を下げ、荷袋を左肩に紐をかけて持ち、右腰には革製の水袋、左腰には全長40センチ程の短剣とナイフ小刀を下げ、背中に全長145センチ程の短めのグレートソード大剣を背負っている。


 僕とヌースさんは訓練場で軽く身体を動かしたあと、ギルドの入り口に向かう。


「じゃあ行ってくる」

「行ってきます」

「はい、森林が初めてのオルカさんは大きな怪我をしないよう気を付けてくださいね」

「分かりました、気を付けます」


 こうして僕はヌースさんと共に街を出て森林に向かった。

 森林に向かう途中でヌースさんが尋ねてきた。


「オルカは森林の歩き方が分かるか」

「はい、ある程度は分かります」


 創造主様から授かったこの世界の知識には森林の歩き方もあった。

――――――――――――――――――――

 僕とヌースさんは4時間程歩き街の外の森林に着いた。

 15キロ以上は歩いた気がする。

 街を出たのが7時頃だからもう11時頃だ。


 今世で初めての森林、そこは樹高60メートルを超えるもみの巨木が立ち並ぶ、雄大な場所だった、僕は圧倒された。


「凄い」

「俺も初めて来た時は単純な感想しか言えなかったな。世界にはもっとデカい森林が沢山あるらしいぞ」


 名前をメガ・ダソス・エラトン雄大な樅の木の大森林と言う。

 総合面積約10万平方キロメートルの大森林だ。

 僕とヌースさんの森林探索が始まった。

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